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ホーム記事徘徊の「前兆」
徘徊の「前兆」
ケアガイド医師査読済 · 2026年6月公開 2026年6月17日0 閲覧

徘徊の「前兆」

徘徊は、本人が「歩きたいから歩く」わけではありません。医学的には、脳が今の状況を整理できなくなり、「外に出る理由」が生まれてしまう行動なのです。だからこそ、前兆は「外に出る準備」ではなく、「脳が混乱しているサイン」として現れます。


徘徊は、本人が「歩きたいから歩く」わけではありません。医学的には、脳が今の状況を整理できなくなり、「外に出る理由」が生まれてしまう行動なのです。だからこそ、前兆は「外に出る準備」ではなく、「脳が混乱しているサイン」として現れます。そのサインに日常の中で気づくことができると徘徊のリスクが下がります。


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1

時間の混乱


夕方なのに「病院に行かなきゃ」「仕事に行く時間だ」と言い出す──こうした光景にお心当たりはありませんか?


これはアルツハイマー型認知症で比較的早期に出る症状です。脳が時間を認識できなくなり、今が何時なのか、何月何日なのかがわからなくなってしまう状態を「時間の見当識障害」といいます。


なぜ前兆になるのか


時間がわからない → 今日の予定がわからない → 「やるべきことが残っている」と感じる → 外に出る理由が生まれる


この連鎖が起きるため、時間の混乱は徘徊へとつながりやすいのです。


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2

探し物が増える


財布、カバン、鍵を何度も探す。家族からは「また何かをなくしたんだ」と見えるかもしれません。しかし医学的には、ここで「目的の誤認」が起きています。本来別の行動をしようとしていたのに、脳がそれを認識できず、目的を「探し物」に変換してしまう状態です。


なぜ前兆になるのか


探し物は、自然と「外に出る理由」になりやすいのです。「(お金が無いから)銀行に行かなきゃ」「(食べるものが無いから)買い物に行かなきゃ」といった形で、外出へとつながってしまいます。


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3

落ち着きがなくなる


そわそわと歩き回る、座っていられない──こうした変化に気づくことがあるかも知れません。医学的には、これは不安や焦燥感が高まっている状態です。


なぜ前兆になるのか


脳が混乱しているとき、本人の中では強い不安が生まれています。その不安を落ち着かせようとして、身体が動くことで安心を求めようとします(身体を動かすと不安は減ります、例えば悩みごとがある時にランニングをする、試験があるのに部屋の片付けをするなど皆様にも心当たりはあるかと思います)。その動きの延長線上に、いつしか外出が位置付けられてしまうのです。


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4

家の中で迷う


トイレや自分の部屋に行けない。廊下で立ち止まってしまう。こうした様子が見られるようになります。これは、空間を認識する脳の機能が低下している状態です。この状態を「空間/場所の見当識障害」といいます。


なぜ前兆になるのか


重要なポイントは、家の中で迷うようになれば、外の世界ではさらに迷いやすくなるということです。つまり、家の中での見当識障害は、徘徊のリスクが一段階上がっているサインなのです。


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5

「帰る」と言い出す


家にいるのに「家に帰る」と言い出す。こうした発言が増えることがあります。


なぜ前兆になるのか


家は本来安心できる場所であり、今自分が不安なのは家にいないからだという誤認が生じます。安心できる家に向かおうとするのは本人にとって自然な行動であり、その結果として徘徊につながりやすいのです。









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徘徊の前兆を見たとき、家族ができること


目的を言語化してあげる

「何か探してる?」「どこか行く予定だったかな?」と優しく声をかけてみてください。本人が自分でも気づいていない「混乱の正体」を一緒に見つけることができます。


安心情報を先に渡す

「今日はもう病院は終わったよ」「もう仕事は終わったから、ゆっくりしようか」と、本人の不安の根を先に断ってあげることが大切です。話しかけるだけでも不安は解消されるので正直なところ内容は何でも構いません(例えば恋バナを友人に相談すると安心しますよね、もちろん友人に相談しても本質的な状況は何もかわっていないはずなのに)。そこに話ができる人がいるということが大切です。


家の中に「目的地」を作る

予定表を貼る、トイレの案内板をつける、家族の写真を飾る──こうした工夫により、本人がここにまだ「やることがある」と感じられるようにします。結果として、外に出る理由が減るのです。


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まとめ


徘徊は「突然起きる事件」ではありません。脳の混乱が積み重なって、やがて起きる行動なのです。だからこそ、前兆を読むことが、最も効果的な予防につながります。


家族が「気づけるサイン」は必ずあります。そしてそのサインに気づいた瞬間から、徘徊のリスクは確実に下げることができるのです。





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本記事は神経内科・精神科医師 yuyu MD PhDによる監修・査読を経て公開しています。 査読日: 2026年6月

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公開日: 2026年6月17日

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