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お薬手帳で服薬情報を一元管理

飲み忘れや重複を防ぐ記録管理

Yuya Kobayashi, MD, PhD

医療監修

Yuya Kobayashi, MD, PhD

認知症専門外来・在宅診療医

複数の医療機関にかかっていると、薬の情報がバラバラになり、飲み合わせの確認が難しくなることがあります。お薬手帳を一冊にまとめて管理することで、飲み忘れや重複、危険な飲み合わせを防ぐことができます。

体験談

父(82歳、アルツハイマー型認知症)は、認知症の治療に加えて、高血圧と糖尿病でも別々の病院に通っていました。ある日、糖尿病内科の先生から「最近処方された血糖を下げる薬と、他院で出ている薬の飲み合わせが少し心配です。今飲んでいる薬をすべて教えてください」と聞かれましたが、私はどの病院で何をもらっているのか、正確に把握できていませんでした。

慌てて自宅に戻り、薬の袋をかき集めて確認しましたが、いつから飲み始めたのか、量が変わったのはいつかなど、あいまいな情報しか答えられませんでした。医師も困った様子で、「お薬手帳があれば、こうした確認がずっとスムーズなんですが」と言われ、申し訳なさと同時に、これまでの管理の甘さを痛感しました。

それ以来、複数の病院やクリニックを受診する際は、必ず同じお薬手帳を持参し、薬局でシールを貼ってもらうようにしました。かかりつけ薬剤師さんにも、複数の病院からの処方をチェックしてもらえるようになり、飲み合わせの心配がある場合は、事前に指摘してもらえるようになりました。

バラバラに管理していた情報を一元化するだけで、これほど安心感が違うのかと驚きました。

82歳の父(アルツハイマー型認知症、複数の持病あり)を介護する54歳息子

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なぜお薬手帳の一元管理が重要なのか

高齢になると、複数の持病を抱え、それぞれ異なる医療機関にかかっていることが少なくありません。それぞれの病院やクリニックで別々にお薬手帳を作っていると、ある病院で処方された薬が、他の病院の薬とどのような飲み合わせになるのかを、誰も正確に把握できない状態になってしまいます。

薬の種類によっては、組み合わせによって効果が強く出すぎたり、逆に弱まったりすることがあり、重篤な副作用につながる可能性もあります。お薬手帳を一冊にまとめることで、どの医療機関の医師や薬剤師も、本人が飲んでいるすべての薬を確認でき、安全な処方につながります。

お薬手帳を活用する工夫

1一冊のお薬手帳にまとめる

病院ごとに手帳を分けず、一冊のお薬手帳をすべての受診・調剤で使用しましょう。かかりつけ薬局を一つに決めることも、管理をシンプルにする助けになります。

2常に携帯できるようにする

お薬手帳は、通院時だけでなく、外出時や緊急時にもすぐ確認できるよう、バッグや決まった場所に保管しましょう。

3スマートフォンアプリの活用も検討する

紙の手帳の紛失が心配な場合は、電子お薬手帳アプリを併用する方法もあります。ただし、操作が本人には難しいことが多いため、家族が管理することが基本になります。

4市販薬やサプリメントも記録する

処方薬だけでなく、薬局で購入した市販薬やサプリメントも、飲み合わせに影響することがあるため、忘れずに記録しましょう。

5定期的に内容を見直す

処方が変更になった際は、古い情報のまま放置せず、その都度最新の状態に更新しましょう。

💬 「バラバラに管理していたことを反省しました」

介護経験者からのアドバイス

「複数の病院に通っていることは分かっていましたが、薬の情報を一元管理する重要性を、正直軽く考えていました。医師に聞かれてまともに答えられなかったときは、本当に反省しました。

お薬手帳を一冊にまとめてからは、どの病院でも安心して相談できるようになりました。飲み合わせの心配を、専門家がすぐにチェックできる体制があることの安心感を実感しています。」

家族が管理する際のポイント

  • 通院のたびに、お薬手帳を忘れずに持参する習慣を家族がサポートする
  • 処方内容に変更があった際は、変更理由も簡単にメモしておくと、後で振り返りやすい
  • 薬剤師に、飲み合わせや副作用について気になる点を積極的に質問する

こんな時は医療機関に相談

  • 複数の医療機関からの処方内容に、重複や矛盾が疑われる
  • 新しい薬を飲み始めてから、体調に変化が見られる
  • お薬手帳の管理が難しく、正確な服薬状況を把握できていない

こうした場合は、かかりつけ薬剤師やケアマネジャーに相談し、服薬管理の方法を見直しましょう。

まとめ:一冊にまとめることが、安全な治療の土台になる

複数の医療機関にかかる場合こそ、お薬手帳を一冊にまとめて管理することが重要です。すべての薬の情報を一元化することで、飲み忘れや重複、危険な飲み合わせを防ぎ、安全な治療を支えることができます。

実践のステップ

  1. 病院ごとに手帳を分けず一冊のお薬手帳にすべての処方をまとめる

  2. かかりつけ薬局を一つに決めて調剤情報を集約する

  3. お薬手帳を通院時・外出時・緊急時にすぐ確認できる場所に保管する

  4. 市販薬やサプリメントも忘れずにお薬手帳に記録する

  5. 処方変更があるたびに古い情報を最新の状態に更新する

注意点

複数の医療機関からの処方内容に重複や矛盾が疑われる場合、新しい薬を飲み始めてから体調に変化が見られる場合、お薬手帳の管理が難しく正確な服薬状況を把握できていない場合は、かかりつけ薬剤師やケアマネジャーに相談してください。

応用・バリエーション

紙の手帳の管理が難しい場合は、電子お薬手帳アプリを家族が代わりに管理する方法もあります。かかりつけ薬局に相談すると、対応しているアプリを教えてもらえることがあります。

まとめ

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最終更新日:

参考文献

  1. [1]山口晴保(編)認知症の正しい理解と包括的医療・ケアのポイント 第4版協同医書出版社 (2023)

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