「薬を飲んでくれない」「どう管理すればいい?」という医療的な疑問を認知症を専門とする医師に相談できます。お試し相談¥1,000〜。

相談する
💊医療・服薬4分で読める

薬は家族が管理し、決まった時間に渡す

誤飲・過剰摂取を防ぐ

Yuya Kobayashi, MD, PhD

医療監修

Yuya Kobayashi, MD, PhD

認知症専門外来・在宅診療医

服薬を本人任せにすると、時間がまちまちになったり、飲んだかどうか分からなくなったりすることがあります。決まった時間に家族が薬を手渡し、飲むところを見届ける習慣が、正確な服薬と体調の安定につながります。

体験談

祖母(85歳、アルツハイマー型認知症)の薬は、最初のうちは「朝ごはんの後に飲んでね」とだけ伝えて、本人に任せていました。しかし、その日によって朝食の時間がまちまちだったり、テレビに気を取られて食後すぐに薬を飲むのを忘れてしまったりすることが多く、飲む時間も、飲んだかどうかも、日によってバラバラになっていました。

ある週、体調を崩して病院を受診した際、医師から「薬をきちんと決まった時間に飲めているかどうかで、効果が大きく変わることがあります」と言われ、これまでの管理方法を見直す必要があると気づきました。

それから、「朝食後」ではなく「朝8時」というように、時間を具体的に決め、その時間になったら、私が必ず祖母のそばに行き、薬を手渡して、飲むところを見届けるようにしました。最初は「そこまでしなくても」と祖母は少し戸惑った様子でしたが、決まった時間に決まった流れで薬を渡すことが習慣になると、むしろ祖母の方から「そろそろお薬の時間じゃない?」と声をかけてくれるようになりました。

本人任せにせず、家族が主体的に関わることで、服薬のリズムが整い、祖母の体調も安定してきたように感じます。

85歳の祖母(アルツハイマー型認知症)を介護する孫

詳しく知る

なぜ家族が管理することが重要なのか

「朝食後」「夕食前」といった曖昧なタイミングの指示は、本人にとって具体的な行動のきっかけになりにくく、生活リズムが乱れた日には、服薬のタイミングもずれてしまいがちです。また、飲んだかどうかを覚えていられず、飲み忘れや重複が起こることもあります。

薬の効果は、決まった時間に規則正しく服用することで安定して発揮されるものが多く、服薬のタイミングがバラバラになると、効果が十分に得られなかったり、逆に短時間で重複して過剰摂取になったりするリスクがあります。家族が主体的に関わり、決まった時間に手渡し、見届けることが、確実な服薬を支える基本です。

家族による服薬管理の工夫

1具体的な時間を決める

「食後」ではなく「朝8時」「昼12時30分」というように、具体的な時刻を決めておきましょう。

2決まった時間に家族が声をかけて手渡す

アラームなどを活用し、決まった時間になったら、家族が本人のそばに行き、薬を手渡しましょう。

3飲むところを見届ける

薬を渡して終わりにせず、実際に飲み込むところまで見届けることで、飲み忘れや、こっそり残してしまうことを防げます。

4毎日同じ流れで行う

同じ時間、同じ場所、同じ声かけで行うことで、本人にとっても「そろそろ薬の時間」という感覚が育ちやすくなります。

5家族が不在の時間帯の対応も考えておく

仕事などで家族が付き添えない時間帯がある場合は、デイサービスの利用や、訪問介護での服薬確認など、代替の見守り体制を検討しましょう。

💬 「本人任せにしていたことを反省しました」

介護経験者からのアドバイス

「『朝食後に飲んでね』とだけ伝えて、あとは本人に任せていました。でも、それが服薬のリズムを乱す原因になっていたんだと気づきました。

決まった時間に手渡し、見届ける習慣にしてからは、祖母自身も服薬のリズムを覚え、むしろ声をかけてくれるようになりました。本人任せにせず、家族が関わることの大切さを実感しています。」

本人の自尊心にも配慮する

手渡しや見届けを行う際は、「監視されている」と感じさせないよう、「一緒に確認しましょうね」といった、寄り添う姿勢での声かけを心がけましょう。

こんな時は医療機関に相談

  • 家族が管理しても、頻繁に飲み忘れや拒否が起こる
  • 薬の量や種類が多く、管理の負担が大きい
  • 家族だけでの見守り体制の維持が難しくなってきた

こうした場合は、かかりつけ医や薬剤師、ケアマネジャーに相談し、処方の見直しや、訪問看護・訪問介護によるサポートの活用を検討しましょう。

まとめ:本人任せにせず、家族が主体的に関わる

服薬は、本人任せにすると時間や有無があいまいになりがちです。決まった時間に家族が手渡し、飲むところを見届ける習慣が、正確な服薬と体調の安定を支える基本になります。

実践のステップ

  1. 『食後』ではなく『朝8時』など具体的な時刻を決める

  2. 決まった時間に家族が本人のそばに行き薬を手渡す

  3. 薬を渡すだけでなく実際に飲み込むところまで見届ける

  4. 毎日同じ時間・同じ場所・同じ流れで行い習慣化する

  5. 家族が不在の時間帯はデイサービスや訪問介護での服薬確認を検討する

注意点

家族が管理しても頻繁に飲み忘れや拒否が起こる場合、薬の量や種類が多く管理の負担が大きい場合、家族だけでの見守り体制の維持が難しくなってきた場合は、かかりつけ医や薬剤師、ケアマネジャーに相談してください。

応用・バリエーション

本人が『監視されている』と感じて抵抗を示す場合は、『一緒に確認しましょうね』など寄り添う言葉を選び、手渡しの動作を自然な日課の一部として位置づける工夫をしましょう。

まとめ

関連するヒント

最終更新日:

参考文献

  1. [1]山口晴保(編)認知症の正しい理解と包括的医療・ケアのポイント 第4版協同医書出版社 (2023)

本サイトの医療コンテンツは医師による査読を経て公開しています。

監修ポリシーを確認する →

このヒントで解決しないときは医師に相談

個別の状況や症状について、医師にオンラインで直接相談できます。48時間以内に回答が届きます。

お試し相談 ¥1,000(初回1回限定)・48時間以内に医師が回答

介護をひとりで抱え込まないために

医療機関でも使われている資料を、無料会員登録(30秒)でいつでも閲覧できます。

  • 登録無料・30秒で完了
  • 10種の資料がいつでも閲覧可能
  • 個人情報は厳重に管理します