体験談・具体的な事例
基礎知識の解説
びまん性レビー小体病とは
びまん性レビー小体病(DLBD)は、αシヌクレインからなるレビー小体が大脳皮質全体にわたって広範に分布する病態を指します。現在は「レビー小体型認知症(DLB)」と実質的に同義であり、特に皮質型のレビー体分布が強調された場合に使われることがあります。幻視・認知変動・パーキンソン症状・REM睡眠行動障害を呈します。
主な症状
- 1鮮明でリアルな幻視(頻度・強度が高い)
- 2認知機能の著しい日内変動
- 3パーキンソン様運動症状(筋固縮・歩行障害)
- 4過剰な日中傾眠
- 5レム睡眠行動障害(夢に合わせた激しい体動・叫び声)
- 6自律神経障害(起立性低血圧・便秘)
- 7転倒・失神
- 8抗精神病薬への重篤な過敏反応
原因・メカニズム
αシヌクレインが脳幹から大脳辺縁系・皮質へと広範に蓄積し、ドーパミン系・アセチルコリン系・ノルアドレナリン系の複数の神経伝達系を障害します。「びまん性(diffuse)」という語は、レビー小体が皮質全体に広く散在することを示します。アルツハイマー病変の合併が多く、混合型の病態を取ることが多いです。
診断
レビー小体型認知症(DLB)の診断基準(McKeith基準)に準じます。DaTスキャンでドーパミントランスポーターの減少、心臓MIBGシンチで心臓交感神経の機能低下を確認します。睡眠ポリグラフィー(PSG)でREM睡眠行動障害を確認します。
治療・ケア
コリンエステラーゼ阻害薬(ドネペジル)が認知・幻視症状に有効です。抗精神病薬は原則禁忌(重篤な過敏反応:悪性症候群様の反応・死亡例あり)。パーキンソン症状にはL-ドーパを少量から慎重に使用します。クロナゼパムがRBD(夢遊症様の行動)に有効です。
予後・経過
平均罹患期間は5〜8年ですが個人差が大きいです。転倒・誤嚥・抗精神病薬への過敏反応が予後を悪化させます。アルツハイマー合併例は進行が速い傾向があります。
びまん性レビー小体病の重要ポイント
「びまん性レビー小体病(DLBD)」は現在の「レビー小体型認知症(DLB)」とほぼ同義
抗精神病薬(ハロペリドール等)への重篤な過敏反応——「この薬は使えない」ことを全医療者に伝える
幻視は非常に鮮明で強度が高い——「見えている」ことを否定せず、恐怖に共感する
認知機能の変動は「調子のいい日・悪い日」ではなく、数時間単位で変わる急激な変動
DaTスキャン・MIBGシンチグラフィが診断に有用——専門施設への受診が重要