3分要約行動・心理症状(BPSD)物盗られ妄想妄想
認知症の物盗られ妄想の原因と対処法|家族への疑いへの対応
2026/4/18|医師監修
ケースの状況
アルツハイマー型認知症の母が「財布が盗まれた」「娘が取った」と毎日責め続ける。何度否定しても信じてもらえず、娘が精神的に限界を感じている。
医師の視点
物盗られ妄想は認知症でよく見られる症状で、最も身近な介護者(多くの場合は娘や配偶者)が疑われやすいという特徴があります。「なぜ私が疑われるの?」という怒りは自然ですが、否定・説明・証拠を示すことは妄想を悪化させます。
1
財布の「定位置」を決めて一緒に確認する習慣を作る
「財布はここに置く」と決め、引き出しに大きな文字で「財布の場所」と貼ります。本人が「ない!」と言い出したとき、「ここに置いてありましたよ」と一緒に見つけることで、不安を和らげます。
2
主介護者(疑われている人)が少し離れて別の人が対応する
娘が主介護者のままだと妄想の的が固定します。夫や他の家族が財布確認や買い物を担当するように役割を変えると、娘への妄想が薄れることがあります。
3
デイサービス・ヘルパーを導入して第三者の目を増やす
外部の人が介護に関わることで「娘が盗んだ」という主張が出にくくなります。主介護者が一時的に離れることで、本人との関係がリセットされる効果もあります。
経過と結果
娘が一歩引き、夫が買い物と財布管理を担当するよう変更。
地域包括支援センターへ相談し、要介護2の認定を受けた。
デイサービスとヘルパー導入から1ヶ月後、「盗まれた」という頻度が週5〜6回から週1〜2回に減少。
3ヶ月後には娘と母の関係が穏やかになり、「最近は笑って話せる日もある」と娘が話した。
今日からできること
財布の定位置を決めて「財布の場所:○○の引き出し」と大きく書いた紙を貼りましょう。本人が「ない!」と言ったとき、一緒に「あった!」と見つけることが大切です。