ゆっくり、はっきり、短い言葉で話しかける
理解しやすいペースと明瞭な発音で、情報を確実に伝える
体験談
父は認知症が進んでから、私の早口な説明が理解できなくなりました。「お父さん、明日病院に行くから朝ごはんは食べないでね、検査があるから」と一気に話すと、「え?何?」と聞き返されます。
医師から「短く、はっきり、ゆっくり話してください」とアドバイスを受けました。それからは、「お父さん、明日」(間を空ける)「病院に行きます」(間を空ける)「朝ごはんは食べないでください」と、一文ずつ区切って話すようにしました。
最初は時間がかかると思いましたが、結果的に何度も聞き返されることが減り、スムーズにコミュニケーションが取れるようになりました。ゆっくり話すことは、相手への思いやりだと実感しています。
— 80代の父(血管性認知症)を介護する50代男性
認知症のある方には、ゆっくり、はっきり、短い言葉で話しかけることが大切です。情報処理のペースに合わせることで、理解しやすくなります。
詳しく知る
認知症になると、情報を処理する速度が遅くなります。特に言語理解に関わる機能が低下すると、早口の説明や複雑な文章を理解することが難しくなります。
効果的なコミュニケーションのポイントは3つあります。
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ゆっくり話す: 一文を話し終えたら、相手が理解する時間を待ちます。焦らず、穏やかなペースを心がけましょう。
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はっきり話す: 口をしっかり開けて、明瞭に発音します。ぼそぼそした声や、小さな声は聞き取りにくく、理解の妨げになります。
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短い言葉で: 一文を短くします。「明日、病院に行くから、朝ごはんは食べないでね」ではなく、「明日、病院です」「朝ごはんは、なしです」と分けて伝えます。
また、抽象的な表現(「後で」「そのうち」など)は避け、具体的な言葉(「3時に」「明日」など)を使うとより伝わりやすくなります。
実践のステップ
早口にならないよう、意識的にペースを落とす
一文を話したら、2-3秒間を空ける
口をはっきり開けて、明瞭に発音する
一文は10文字前後を目安に短くする
「後で」「そのうち」などの抽象語を避け、「3時に」「明日」など具体的に伝える
相手が理解できているか、表情や反応を確認する
注意点
ただし、あまりにもゆっくり過ぎたり、大きすぎる声は、かえって不自然で本人を不安にさせることがあります。「優しく、穏やかに」を心がけましょう。また、子ども扱いするような話し方(幼児語、過度な敬語など)は避けてください。
応用・バリエーション
聴覚に問題がある場合は、正面から顔を見せて話すと、口の動きから言葉を推測しやすくなります。また、重要な情報は紙に書いて見せることも有効です。
まとめ
ゆっくり、はっきり、短く話す
一文ごとに間を空ける
抽象語を避け具体的に表現
子ども扱いはしない
相手の反応を確認しながら