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薬の副作用や異変に気づいたらすぐ相談

早期発見で重篤化を防ぐ

Yuya Kobayashi, MD, PhD

医療監修

Yuya Kobayashi, MD, PhD

認知症専門外来・在宅診療医

新しい薬を飲み始めた後の体調の変化を、認知症の進行と思い込んでしまうことがあります。ふらつきや眠気、食欲不振などの異変に気づいたら、様子を見過ぎず、早めにかかりつけ医や薬剤師に相談することが、重篤化を防ぐ鍵になります。

体験談

母(80歳、アルツハイマー型認知症)が、新しい薬を飲み始めてから数日後、いつもよりぼんやりとした様子で、ふらつきながら歩く場面が増えました。「認知症が進んだのかもしれない」と不安に思いつつも、「様子を見よう」と、しばらくそのまま過ごしていました。

1週間ほど経っても改善が見られず、むしろ食欲も落ちてきたため、思い切ってかかりつけ医に電話で相談しました。すると、「先日処方した薬の副作用として、ふらつきや眠気が出ることがあります。すぐに来院してください」と言われ、急いで受診することになりました。

診察の結果、薬の量が母の体には少し多かったようで、量を調整してもらったところ、数日でふらつきが改善し、以前のような表情を取り戻しました。医師からは、「様子を見るのも大切ですが、新しい薬を始めた後の変化は、早めに相談してもらった方が安心です」と言われました。

「認知症が進んだせい」と思い込んでいたことが、実は薬の副作用だったと分かり、もっと早く相談していればと反省しました。変化に気づいたら、まず薬との関連を疑うという視点を持つことの大切さを学びました。

80歳の母(アルツハイマー型認知症)を介護する52歳娘

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なぜ副作用を見逃しやすいのか

認知症の症状は、日によって変動することが多く、体調の変化があっても「認知症が進んだのかもしれない」と、病気の進行そのものだと思い込んでしまいがちです。特に高齢者は、薬の分解・排出機能が低下しているため、同じ量の薬でも若い頃より強く作用し、副作用が出やすい傾向があります。

新しい薬を始めた時期や、薬の量が変更された時期と、体調の変化のタイミングが重なっている場合は、副作用の可能性を疑うことが重要です。「様子を見よう」と判断を先延ばしにすることで、症状が悪化したり、転倒などの二次的な事故につながったりするリスクがあります。

副作用に気づくためのポイント

1新しい薬を始めた時期を記録しておく

いつからどの薬を飲み始めたか、量が変わったのはいつかを記録しておくと、体調の変化との関連に気づきやすくなります。

2気になる変化を具体的にメモする

ふらつき、眠気、食欲不振、便秘、皮膚の異常など、気になる変化を、いつから、どの程度かとあわせてメモしておきましょう。

3「様子を見る」期間を決めておく

軽微な変化であっても、数日様子を見て改善しない場合は相談する、というルールをあらかじめ決めておくと、判断に迷わずに済みます。

4電話での相談も活用する

受診するほどでもないか迷う場合は、まず電話でかかりつけ医や薬局に相談してみましょう。緊急性の判断も含めてアドバイスを受けられます。

5お薬手帳を確認しながら伝える

相談する際は、お薬手帳を見ながら、いつからどの薬を飲んでいるかを正確に伝えると、原因の特定がスムーズになります。

💬 「認知症が進んだせいだと思い込んでいました」

介護経験者からのアドバイス

「ぼんやりした様子やふらつきを見て、真っ先に『認知症が進んだのでは』と考えてしまいました。まさか薬の副作用だとは思っていませんでした。

早めに相談していれば、母がつらい思いをする期間をもっと短くできたはずです。体調の変化があったら、まず薬との関連を疑うという視点を持つことの大切さを学びました。」

注意したい副作用のサイン

  • ふらつき、めまい、転倒しやすくなった
  • 強い眠気、ぼんやりした様子
  • 食欲不振、吐き気
  • 便秘や下痢
  • 皮膚の発疹、かゆみ

こうしたサインが、新しい薬を始めた時期と重なっている場合は、特に注意が必要です。

こんな時は速やかに医療機関に相談

  • 意識がもうろうとしている、呼びかけへの反応が鈍い
  • 転倒や大きな怪我につながった
  • 息苦しさや強い動悸、じんましんなど、アレルギー反応が疑われる症状がある

こうした場合は、様子を見ずに、速やかに医療機関を受診するか、救急に相談してください。

まとめ:変化に気づいたら、まず薬を疑う視点を持つ

新しい薬を始めた後の体調の変化は、認知症の進行と決めつけず、まず副作用の可能性を疑うことが大切です。様子を見過ぎず、早めにかかりつけ医や薬剤師に相談することが、重篤化を防ぎ、本人の負担を最小限にする鍵になります。

実践のステップ

  1. 新しい薬を始めた時期や量の変更をメモしておく

  2. ふらつき・眠気・食欲不振など気になる変化を具体的に記録する

  3. 『数日様子を見て改善しなければ相談する』というルールを決めておく

  4. 受診するか迷う場合はまず電話でかかりつけ医や薬局に相談する

  5. 相談時はお薬手帳を見ながら正確な服薬状況を伝える

注意点

意識がもうろうとしている、呼びかけへの反応が鈍い、転倒や大きな怪我につながった、息苦しさや強い動悸・じんましんなどアレルギー反応が疑われる症状がある場合は、様子を見ずに速やかに医療機関を受診するか救急に相談してください。

応用・バリエーション

副作用が疑われても、自己判断で服薬を中止するのは危険な場合があります。中止によって症状が悪化する薬もあるため、必ず医師や薬剤師に相談してから対応を決めましょう。

まとめ

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最終更新日:

参考文献

  1. [1]山口晴保(編)認知症の正しい理解と包括的医療・ケアのポイント 第4版協同医書出版社 (2023)

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