「一人で外出させていいか」「お金の管理を本人に任せていいか」など、安全に関わる判断も、2分の無料チェックで整理の糸口が見つかります。

2分でチェック
🛡️安全・事故防止•3分で読める

徘徊対策でGPS機器や施錠の工夫を

行方不明を防ぐ安全対策

Yuya Kobayashi, MD, PhD

医療監修

Yuya Kobayashi, MD, PhD

認知症専門外来・在宅診療医

見当識障害による外出は、夜間だけでなく日中の見守りが手薄な時間帯にも起こり得ます。玄関の施錠を工夫し、ドアの開閉に気づける仕組みを整えることが、行方不明を防ぐための基本的な対策です。

体験談

祖母(86歳、アルツハイマー型認知症)と暮らし始めてしばらくは、日中は特に問題なく過ごせていたため、玄関の鍵は普段通りの一つだけで、特別な対策はしていませんでした。ある平日の昼下がり、私が2階で家事をしている間に、祖母が一人で外に出てしまったことがありました。

幸い、近所の方が「〇〇さんじゃない?どこか行くの?」と声をかけてくれたことで、大事には至らずに済みましたが、もし誰も気づかなければ、と考えるとぞっとしました。

地域包括支援センターに相談すると、「日中も見守りが手薄になる時間帯があるなら、玄関に補助錠をつけたり、ドアが開いたことが分かるセンサーを設置したりすることをお勧めします」とアドバイスされました。

それから、玄関には本人が一人では開けにくい高さに補助錠を追加し、ドアの開閉を知らせるセンサーチャイムを設置しました。あわせて、近所の方々にも祖母の状況を伝え、見守りの協力をお願いしました。

完全に外出を止めることはできませんが、「気づける仕組み」があることで、私自身も少し肩の力を抜いて日中の家事に取り組めるようになりました。

— 86歳の祖母(アルツハイマー型認知症)と同居する孫

詳しく知る

なぜ日中も対策が必要なのか

夜間の徘徊対策は意識されやすい一方、日中は「誰かが家にいるから大丈夫」と油断しがちです。しかし、家事や来客対応など、家族がわずかに目を離した隙にも、見当識障害による外出は起こり得ます。

本人にとっては、「何かをしなければ」という思いから、玄関を通って外に出ること自体に強い違和感がない場合が多く、気づかないうちに外出してしまうことがあります。日中・夜間を問わず、家族の目が届かない時間帯を想定した対策が必要です。具体的な工夫は下の実践のステップを参考にしてください。

💬 「日中は大丈夫だと思い込んでいました」

介護経験者からのアドバイス

「夜間の対策は考えていましたが、日中はまさか大丈夫だろうと油断していました。近所の方が気づいてくれなければ、と思うと今でも怖くなります。

補助錠とセンサーを設置してからは、家事をしていても『気づける』という安心感が生まれました。日中も夜間も、同じように備えることの大切さを実感しています。」

実践のステップ

  1. 本人の目線や手の届きにくい位置に補助錠を設置する

  2. ドアが開くと音や通知で知らせるセンサーを設置する

  3. 玄関だけでなく窓の施錠も見直す

  4. 家事や来客対応など見守りが手薄になる時間帯を把握しておく

  5. 近隣住民や自治会に事情を伝え地域との連携を作っておく

注意点

施錠やセンサーを設置しても外出を試みる行動が頻繁に見られる場合、実際に外出し行方不明になったことがある場合、外出しようとする際に強い興奮や混乱を伴う場合は、家庭内の対策だけで抱え込まず、かかりつけ医やケアマネジャー、地域包括支援センターに相談してください。

こんな場合は当てはまらないことも

施錠を強化しすぎると、火災など緊急時に本人が自力で屋外へ避難できなくなるリスクが生まれます。防犯・徘徊対策としての施錠と、非常時の避難経路の確保はどちらか一方だけを優先すればよいものではないため、消防署や地域の防災担当にも相談しながら、両立できる方法を検討してください。

応用・バリエーション

本人が特定の目的(『仕事に行く』『子どもを迎えに行く』など)を持って外出しようとする場合は、施錠の工夫と併せて、その気持ちに寄り添った声かけや、注意をそらす関わりも組み合わせると効果的です。

まとめ

関連するヒント

根拠について:施錠の工夫やセンサーを用いた見守りが日中の行方不明事故のリスク軽減に資するという考え方は在宅介護の実践知として広く共有されているが、緊急時の避難経路確保など安全面への配慮も同時に必要である。

最終更新日:

参考文献

  1. [1]山口晴保(編). 認知症の正しい理解と包括的医療・ケアのポイント 第4版. 協同医書出版社 (2023)

本サイトの医療コンテンツは医師による査読を経て公開しています。

監修ポリシーを確認する →