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カフェインやアルコールは夕方以降避ける

刺激物を控えて睡眠の質を向上

Yuya Kobayashi, MD, PhD

医療監修

Yuya Kobayashi, MD, PhD

認知症専門外来・在宅診療医

コーヒーだけでなく、緑茶や紅茶、栄養ドリンクなどにもカフェインが含まれており、夕方以降の摂取が不眠の原因になっていることがあります。就寝に影響する飲み物を見直すことは、見落とされがちな睡眠改善の工夫です。

体験談

父(80歳、アルツハイマー型認知症)は、昔から夕食後に緑茶を飲む習慣があり、介護が始まってからも、その習慣をそのまま続けていました。しかし、夜になっても目が冴えて眠れない日が続き、なかなか原因が分からずにいました。

睡眠外来を受診した際、医師から「緑茶にもカフェインが含まれています。夕方以降のカフェイン摂取が、不眠の一因になっている可能性があります」と指摘され、正直、盲点でした。コーヒーは控えていましたが、緑茶にまで気を配っていなかったのです。

それから、夕食後の緑茶を、カフェインの入っていない麦茶やそば茶に変えてみました。最初は父も「味が違う」と少し戸惑った様子でしたが、慣れてくると特に問題なく受け入れてくれました。

数日後から、父が夜に目が冴えて眠れないと訴える回数が減り、寝つきも改善してきました。長年の習慣の中に、思わぬ落とし穴があったのだと気づかされた出来事でした。

— 80歳の父(アルツハイマー型認知症)を介護する52歳息子

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なぜカフェインやアルコールが睡眠に影響するのか

カフェインには覚醒作用があり、摂取後数時間にわたって脳を興奮させる働きがあります。コーヒーだけでなく、緑茶、紅茶、ウーロン茶、栄養ドリンク、一部の炭酸飲料にもカフェインが含まれており、夕方以降に摂取すると、夜間の寝つきの悪さや眠りの浅さにつながることがあります。

また、アルコールは一時的に眠気を誘うことがありますが、実際には睡眠の質を低下させ、夜中に目が覚めやすくなる(中途覚醒の増加)ことが知られています。「寝酒」として続けている習慣が、かえって不眠を悪化させている場合があります。

加齢に伴い、カフェインやアルコールを分解する体の機能が低下しやすくなるため、若い頃と同じ量でも、より強く睡眠に影響することがあります。具体的な工夫は下の実践のステップを参考にしてください。

💬 「緑茶が原因だとは思いませんでした」

介護経験者からのアドバイス

「コーヒーは控えていたので、まさか緑茶が不眠の原因になっているとは思ってもみませんでした。長年の習慣だったので、見直すという発想自体がありませんでした。

麦茶に変えるという小さな工夫だけで、父の睡眠が改善したのを見て、当たり前だと思っていた習慣を疑ってみることの大切さを実感しました。」

本人が変化を嫌がる場合の工夫

  • 見た目や色が似ている代替品を選ぶ
  • 「体にやさしいお茶にしてみようか」など、前向きな言葉で提案する
  • 一度にすべて変えず、時間帯だけを工夫する(朝は今まで通り、夕方以降だけ変える)

実践のステップ

  1. コーヒーだけでなく緑茶・紅茶・栄養ドリンクなど夕方以降のカフェイン飲料を控える

  2. 麦茶やそば茶、ハーブティーなどカフェインを含まない飲み物に置き換える(ほうじ茶は緑茶とほぼ同程度のカフェインを含むため避ける)

  3. 『寝酒』の習慣がある場合は量を減らす、あるいは控える方向で見直す

  4. 長年の習慣を急に変えず、少しずつ、味の近いものから置き換える

  5. 市販薬や栄養ドリンクの成分表示でカフェインの有無を確認する

注意点

カフェインやアルコールを控えても不眠が改善しない場合、長年の飲酒習慣があり急な減量や中止が難しい場合、睡眠薬など他の薬との飲み合わせが心配される場合は、自己判断で対応せず、かかりつけ医や薬剤師に相談してください。

こんな場合は当てはまらないことも

不眠の原因がカフェインやアルコールではなく、レビー小体型認知症に伴う夜間の幻視や、頻尿、関節の痛みといった身体的な要因にある場合、飲み物を見直すだけでは改善しません。認知症の進行に伴う体内リズムそのものの乱れが原因のこともあり、その場合は生活習慣の工夫だけでなく、医学的な評価が必要です。

応用・バリエーション

夕方以降の水分摂取自体を控えたい場合ではなく、あくまで刺激物を避けることが目的です。水分摂取量そのものを減らすと脱水のリスクが高まるため、カフェインレスの飲み物でしっかり水分を確保しましょう。

まとめ

関連するヒント

根拠について:夕方以降のカフェイン・アルコール摂取が睡眠の質を低下させるという知見は睡眠科学において広く支持されているが、個人差があり、認知症のある方への影響を厳密に検証した研究は限定的である。

最終更新日:

参考文献

  1. [1]山口晴保(編). 認知症の正しい理解と包括的医療・ケアのポイント 第4版. 協同医書出版社 (2023)

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