認知症の夜間徘徊・夜中に起き出す原因と対処法|専門医が解説
ケースの状況
79歳の父はレビー小体型認知症。毎夜1〜3時に起き出し「仕事に行かなければ」と玄関を開けようとする。家族は毎晩起こされ疲弊しきっている——そして市販の睡眠薬が「命取り」になりうると知らなかった。
医師の視点
レビー小体型認知症(DLB)では、夢の内容をそのまま行動に移す「レム睡眠行動障害(RBD)」が起きやすく、「仕事に行かなければ」は夢の続きを生きている状態です。また一般的な抗精神病薬やベンゾジアゼピン系睡眠薬に重篤な過敏反応が起きる危険があるため、薬の選択は必ず専門医と相談する必要があります。
今夜できる安全確保を最優先に
玄関に補助錠(高位置のチェーンロック)を設置し、廊下に足元センサーライトを付けます。「徘徊をゼロにする」より「徘徊しても事故が起きない家」を先に作ることが重要です。
日中の活動と昼寝を管理して夜の睡眠を改善する
午前中30分の散歩・日光浴を習慣化し、15時以降の昼寝を制限します。概日リズムを整えることで夜間覚醒の回数が減ります。効果が出るまで2〜4週間かかることがほとんどです。
DLBを理解している専門医への受診が必須
神経内科または認知症専門外来を受診し、RBDの評価と安全な薬の選択を相談します。メラトニンや抑肝散など副作用が少ない薬から試すことが多く、自己判断での服薬は絶対に禁物です。
経過と結果
翌日にチェーンロックと足元灯を設置。
朝の散歩と昼寝制限で2週目から夜間覚醒が週7回から4回に減少した。
専門医受診でRBD診断を受け、抑肝散を開始。
2ヶ月後には週1〜2回まで減少し、月2回のショートステイで家族が連続した睡眠を取れる夜も確保された。
今日からできること
玄関ドアに高位置のチェーンロックを1個取り付けましょう。ホームセンターで購入でき、これだけで深夜の脱出を防げます。