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🌸介護者のセルフケア4分で読める

一人で抱え込まず、家族や専門職に相談

介護の悩みを共有し、負担を軽減

Yuya Kobayashi, MD, PhD

医療監修

Yuya Kobayashi, MD, PhD

認知症専門外来・在宅診療医

「自分が何とかしなければ」という思い込みは、介護者を孤立させ、心身の負担を増大させることがあります。家族や専門職に、具体的な困りごとを言葉にして相談することが、負担を分かち合い、解決策を見つける第一歩になります。

体験談

父(82歳、アルツハイマー型認知症)の介護を始めてから、私は「自分が家族なのだから、自分でなんとかしなければ」という思いが強く、誰かに助けを求めることを避けていました。夫にも「大丈夫、任せて」とだけ伝え、実際の大変さを詳しく話すことはありませんでした。

ある日、些細なことがきっかけで涙が止まらなくなり、自分でも驚くほど感情が抑えられなくなりました。心配した夫が「一人で抱え込みすぎだよ、話してほしかった」と言ってくれたことで、初めて自分がどれほど追い詰められていたかに気づきました。

それから、ケアマネジャーさんに、実際の困りごとを具体的に相談するようにしました。「トイレの介助がつらい」「夜眠れない」といった、これまで一人で我慢していたことを言葉にしただけで、いくつかの解決策や、利用できるサービスを教えてもらえました。

家族にも、良い部分だけでなく、大変な部分もきちんと伝えるようにしたところ、夫や兄弟が協力してくれる場面が増えました。「一人で頑張るのが家族の務め」という思い込みを手放したことで、ようやく肩の荷が少し軽くなりました。

82歳の父(アルツハイマー型認知症)を介護する54歳娘

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なぜ一人で抱え込んでしまうのか

家族の介護は、「自分がやるべきこと」「弱音を吐いてはいけない」という責任感や思い込みから、一人で抱え込んでしまいやすい領域です。特に、他の家族に迷惑をかけたくない、専門職に相談するほどのことではないと感じてしまうことで、助けを求めるタイミングを逃してしまうことがあります。

しかし、介護の負担を一人で背負い続けると、心身の疲労が限界を超え、うつ状態や、本人への不適切な対応につながるリスクが高まります。困りごとを具体的に言葉にして共有することは、負担を分かち合うだけでなく、自分では気づけなかった解決策を見つけるきっかけにもなります。

相談する際の工夫

1具体的な困りごとを言葉にする

「大変」という漠然とした表現ではなく、「夜中に何度も起こされて眠れない」「トイレの介助が身体的につらい」など、具体的な内容を伝えましょう。

2家族間で役割分担を話し合う

介護を一人だけで担うのではなく、できる範囲で家族それぞれが分担できることを話し合いましょう。遠方に住む家族でも、金銭的な支援や、電話での話し相手など、できる関わり方があります。

3ケアマネジャーに率直に伝える

ケアマネジャーは、介護保険サービスの調整だけでなく、介護者自身の悩みの相談相手でもあります。遠慮せず、困っていることを伝えましょう。

4地域包括支援センターを活用する

介護保険サービス以外の悩み(家族関係、経済的な不安など)についても、地域包括支援センターで相談に乗ってもらえることがあります。

5定期的に気持ちを吐き出す機会を作る

家族、友人、専門職など、誰か一人でも、定期的に本音を話せる相手を持つことを意識しましょう。

💬 「弱音を吐いてはいけないと思っていました」

介護経験者からのアドバイス

「家族の介護は自分の役目だと思い込み、弱音を吐くことに抵抗がありました。でも、限界まで我慢した結果、涙が止まらなくなるほど追い詰められてしまいました。

具体的な困りごとを言葉にして相談するようになってから、家族の協力も増え、解決策も見えてきました。一人で抱え込むことが、必ずしも家族への愛情の証ではないのだと気づかされました。」

相談先の例

  • ケアマネジャー(介護保険サービスの調整、日々の悩み相談)
  • 地域包括支援センター(総合的な相談窓口)
  • かかりつけ医、訪問看護師(医療的な相談)
  • 家族会、介護者同士のコミュニティ(同じ立場の人との共有)
  • 精神科・心療内科(介護者自身の心の不調への対応)

こんな時は専門家への相談を急ぐべき

  • 涙が止まらない、感情の起伏が激しくなったと感じる
  • 本人に対して、これまでにない強い苛立ちや衝動を感じる
  • 眠れない日が続き、心身の不調を感じている

こうしたサインが見られたら、様子を見ずに、早めに専門家に相談してください。

まとめ:一人で抱え込まないことが、介護を続ける力になる

「自分が何とかしなければ」という思い込みは、介護者を孤立させ、限界を超えるまで頑張らせてしまうことがあります。家族や専門職に、具体的な困りごとを言葉にして相談することが、負担を分かち合い、無理なく介護を続けるための力になります。

実践のステップ

  1. 『大変』ではなく具体的な困りごと(夜間の睡眠不足、身体的な負担など)を言葉にして伝える

  2. 家族間でできる範囲の役割分担を話し合う

  3. ケアマネジャーに率直に困りごとを伝える

  4. 介護保険サービス以外の悩みも地域包括支援センターに相談する

  5. 定期的に本音を話せる相手を持つ

注意点

涙が止まらない、感情の起伏が激しくなったと感じる場合、本人に対してこれまでにない強い苛立ちや衝動を感じる場合、眠れない日が続き心身の不調を感じている場合は、様子を見ずに、早めに専門家に相談してください。

応用・バリエーション

対面での相談が難しい場合は、電話相談窓口や、オンラインの介護者コミュニティを活用する方法もあります。まずは気軽に利用できる窓口から試してみましょう。

まとめ

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最終更新日:

参考文献

  1. [1]山口晴保(編)認知症の正しい理解と包括的医療・ケアのポイント 第4版協同医書出版社 (2023)

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