介護保険サービスを積極的に活用
デイサービスやショートステイで介護負担を軽減
医療監修
Yuya Kobayashi, MD, PhD
認知症専門外来・在宅診療医
介護保険サービスを利用することに、家族としての努力不足を感じてしまうことがあります。しかし、デイサービスやショートステイは、本人に良い刺激を与えると同時に、介護者の負担を軽減するために用意された制度です。積極的に活用することが、無理のない介護につながります。
体験談
母(79歳、アルツハイマー型認知症)の介護保険の要介護認定を受けたとき、私は「まだ自分たちだけで何とかなる」と思い、デイサービスなどの利用にあまり積極的ではありませんでした。せっかく認定を受けても、サービスをほとんど使わないまま、日々の介護は私一人が担っていました。
しかし、仕事と介護の両立に疲れ果て、有給休暇もほとんど使い果たした頃、ケアマネジャーさんから「せっかく利用できる枠があるのに、もったいないですよ。デイサービスは母様にとっても良い刺激になりますし、その間、ご自身の時間を作れます」と勧められました。
半信半疑で週2回のデイサービスを利用し始めると、母は同世代の方々との交流を楽しむようになり、私自身も、その間に仕事や自分の用事に集中できるようになりました。さらに、月に一度のショートステイも取り入れ、まとまった休息の時間も確保できるようになりました。
「サービスに頼るのは、家族の努力不足」という思い込みがあったことに気づき、反省しました。介護保険サービスは、家族と本人、両方の生活を支えるために用意された制度なのだと、実際に利用してみて初めて実感しました。
— 79歳の母(アルツハイマー型認知症)を介護する51歳娘
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なぜ介護保険サービスの活用をためらってしまうのか
なぜ介護保険サービスの活用をためらってしまうのか
「家族のことは家族で」という価値観や、「まだ自分たちだけで対応できる」という思いから、介護保険サービスの利用に消極的になってしまうことがあります。せっかく要介護認定を受けても、利用限度額の枠を十分に活用しないまま、介護者一人がすべてを担い続けているケースは少なくありません。
しかし、介護保険サービスは、本人の生活の質を高め、家族の介護負担を軽減するために設計された社会的な仕組みです。利用をためらうことは、本人にとっても、介護者にとっても、得られるはずの支援を受けられない状態を続けることになります。サービスを活用する具体的な工夫は、下の実践のステップを参考にしてください。
💬 「サービスに頼るのは努力不足だと思っていました」
💬 「サービスに頼るのは努力不足だと思っていました」
介護経験者からのアドバイス
「介護保険サービスを使うことに、どこか『家族としての役目を果たしていない』という後ろめたさがありました。でも、実際に利用してみると、母にとっても良い刺激になり、私自身の負担も大きく減りました。
利用限度額があるのに使わないのは、むしろもったいないことだったと気づきました。制度は、家族と本人、両方の生活を支えるために用意されているのだと実感しています。」
利用をためらう気持ちへの向き合い方
利用をためらう気持ちへの向き合い方
- サービスの利用は、本人を見捨てることではなく、より良い関わり方を続けるための選択であると捉える
- 「もったいない」という視点で、利用限度額を確認してみる
- 実際に利用している他の家族の体験談を聞いてみる(家族会などで)
実践のステップ
要介護度に応じた利用限度額の中でどれだけサービスを利用できているかケアマネジャーと確認する
デイサービスを利用し本人の社会的な刺激と介護者の時間を確保する
ショートステイでまとまった休息時間を作る
訪問介護・訪問看護・訪問入浴などを組み合わせ日々の負担を分散する
本人に合った事業所を見学・体験利用して探す
注意点
利用限度額に対して実際の利用がかなり少ない場合、介護者の負担が増しているのにサービスの内容が変わっていない場合、本人の状態が変化し以前のサービス内容が合わなくなってきた場合は、ケアマネジャーに相談し、ケアプランの見直しを依頼してください。
こんな場合は当てはまらないことも
要支援1・2など軽度の要介護度では、そもそも利用限度額が少なく、希望する分だけサービスを組み込めないことがあります。また地域によっては事業所に空きがなく、希望する曜日や時間帯での利用がすぐには叶わないこともあります。その場合は、複数の事業所を候補に挙げておく、または利用開始までの間は家族・地域の支援を組み合わせる工夫が必要です。
応用・バリエーション
本人が施設や集団活動に馴染みにくい性格の場合は、少人数制のデイサービスや、個別対応が中心の訪問系サービスを優先的に検討しましょう。
まとめ
このヒントのポイント
介護保険サービスの利用をためらうと本来受けられる支援を見送ることになる
デイサービスは本人への刺激と介護者の負担軽減の両方に役立つ
ショートステイでまとまった休息時間を確保できる
訪問系サービスとの組み合わせで負担を分散できる
利用状況や本人の状態変化に応じてケアプランを定期的に見直す
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根拠について:介護保険サービスの積極的な活用が介護者の負担軽減と本人の生活の質向上に資するという考え方は介護支援の分野で広く支持されている。