自分の健康管理を怠らない
定期健診と適度な運動で健康維持
医療監修
Yuya Kobayashi, MD, PhD
認知症専門外来・在宅診療医
介護に追われる中で、自分自身の健康管理を後回しにしてしまうことがあります。しかし、介護者自身の体調不良は、介護の継続そのものを危うくします。定期健診と適度な運動を、介護の一部として意識的に組み込むことが大切です。
体験談
母(81歳、アルツハイマー型認知症)の介護を始めてから、私は自分の健康診断をすっかり後回しにしていました。「母の通院で手一杯なのに、自分の検査に時間を割く余裕なんてない」というのが正直な気持ちでした。以前は毎年欠かさず受けていた健康診断も、気づけば3年間受けていませんでした。
ある日、階段を上るだけで息切れがすることに気づき、さすがに不安になって受診しました。診察では念のため血圧を測り、血液検査も行うことになったのですが、その結果、息切れとは別に、高血圧と軽度の糖尿病予備群であることが偶然分かりました。医師からは、「介護のストレスや不規則な生活が影響している可能性があります。ご自身の健康管理も、母様の介護を続けるために欠かせません」と言われ、はっとしました。
それ以来、母の通院の合間を縫って、自分の定期健診も必ず受けるようにしました。また、母のデイサービス利用日には、意識的に近所を30分ほど歩くようにし、軽い運動の習慣も取り入れました。
「自分の健康は後回しでいい」という考えが、実は介護そのものを続けられなくするリスクだったのだと気づきました。自分の体を大切にすることも、母を支え続けるために必要なことなのだと学びました。
— 81歳の母(アルツハイマー型認知症)を介護する53歳娘
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なぜ自分の健康管理が後回しになりやすいのか
なぜ自分の健康管理が後回しになりやすいのか
介護に多くの時間とエネルギーを費やしていると、「自分の健康は二の次」という考えに陥りやすくなります。本人の通院や日々のケアに追われ、自分自身の定期健診や運動の時間を確保する余裕がないと感じてしまうことは、多くの介護者に共通する悩みです。
しかし、介護者自身が体調を崩してしまえば、介護を継続すること自体が難しくなります。介護者の健康管理は、本人のケアと同じくらい重要な、介護の一部として捉える必要があります。自分の健康を守る具体的な工夫は、下の実践のステップを参考にしてください。
💬 「自分の検査は後回しでいいと思っていました」
💬 「自分の検査は後回しでいいと思っていました」
介護経験者からのアドバイス
「母のことで頭がいっぱいで、自分の健康診断のことなんてすっかり忘れていました。でも、体調を崩してから、介護そのものが立ち行かなくなるリスクに気づかされました。
自分の健康を守ることは、わがままではなく、母を支え続けるために必要なことなんだと分かってからは、意識的に時間を作るようにしています。」
健康管理を続けるための工夫
健康管理を続けるための工夫
- 本人の通院と同じ病院・クリニックで、自分の受診もまとめて予約する
- 家族や友人に協力を頼み、自分の受診の間だけ本人を見てもらう
- ウェアラブル端末などを活用し、日々の活動量や睡眠を可視化する
実践のステップ
本人の通院スケジュールと同じように自分の定期健診を年に一度は必ず受ける
デイサービス利用時間などの隙間時間に散歩やストレッチを取り入れる
夜間の睡眠不足を日中の仮眠や家族との交代で補う工夫をする
介護に追われて食事が不規則になっていないか時々振り返る
息切れや動悸など気になる症状を軽視せず早めに受診する
注意点
動悸や息切れ、強い疲労感が続いている場合、急な体重の増減がある場合、気分の落ち込みや食欲不振が続いている場合は、『疲れているだけ』と決めつけず、早めに医療機関を受診してください。
こんな場合は当てはまらないことも
『分かってはいるが受診する時間そのものが取れない』というのが、介護者の健康管理における最大の壁です。デイサービスやショートステイの利用調整がまだできていない段階では、自分の通院を後回しにせざるを得ないこともあります。その場合は、まず受診の時間を確保するためのサービス調整自体をケアマネジャーに相談することから始めてください。
応用・バリエーション
受診の時間を確保するのが難しい場合は、ケアマネジャーに相談し、その時間帯だけ訪問介護やショートステイを利用することも検討しましょう。
まとめ
このヒントのポイント
介護に追われ自分の健康管理を後回しにしてしまうことがある
介護者の体調不良は介護の継続そのものを危うくする
定期健診と隙間時間の運動を意識的に組み込む
睡眠不足や食生活の乱れにも注意を払う
動悸・息切れ・気分の落ち込みが続く場合は早めに受診する
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根拠について:介護者自身の健康管理が介護の継続可能性と本人へのケアの質に資するという考え方は介護支援の分野で広く支持されている。