選択肢は2つまでに絞って提示する
判断の負担を減らし、自己決定を支援する
体験談
祖母の介護をしていた時、ある日キッチンで料理をしている祖母に、後ろから「おばあちゃん、ごはんできた?」と声をかけたところ、祖母は驚いて飛び上がり、持っていた包丁を落としてしまいました。幸い怪我はありませんでしたが、祖母は動揺して泣き出してしまいました。
訪問看護師さんから「認知症のある方は、予測できないことに驚きやすいんです。必ず視界に入ってから声をかけてください」とアドバイスを受けました。
それからは、祖母の正面か横から近づき、目が合ってから話しかけるようにしました。祖母も安心した様子で、料理中の事故も起こらなくなりました。ちょっとした配慮で、こんなにも違うのだと実感しています。
— 85歳の祖母(アルツハイマー型認知症)を同居介護する30代孫
後ろから突然声をかけると、驚きや混乱、恐怖を引き起こします。必ず視界に入ってから、穏やかに声をかけましょう。
詳しく知る
認知症のある方は、予測や状況判断の能力が低下しています。そのため、突然の刺激(音、声、接触など)に対して、過度に驚いたり、恐怖を感じたりすることがあります。
特に後ろからの声かけは、相手が予測できないため、強い驚きを与えます。驚きは一時的なものではなく、不安感や恐怖心として長く残ることもあります。
また、レビー小体型認知症の方は、幻視などの症状があるため、予期しない刺激がさらに混乱を招くことがあります。
安心できるコミュニケーションのためには、次のポイントが大切です。
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正面または横から近づく: 相手の視界に入る位置から接近します。
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目が合ってから話す: 視線が合い、こちらの存在に気づいてもらってから声をかけます。
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ゆっくり近づく: 急に近づくと驚かせてしまうので、落ち着いたペースで接近します。
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穏やかな声で: 最初の一言は、柔らかく、優しい声で話しかけます。
これらの配慮により、相手は安心してコミュニケーションを受け入れることができます。
実践のステップ
声をかける前に、相手の視界に入る位置に移動する
正面か横から、ゆっくりと近づく
目が合ったら、穏やかに挨拶や名前を呼ぶ
相手が気づくまで、少し待つ
急な接触(肩を叩くなど)は避ける
作業中や集中している時は、特に慎重に声をかける
注意点
視力や視野に問題がある場合、正面から近づいても気づかれないことがあります。その場合は、少し離れた位置から「○○さん、こんにちは」と声をかけ、反応を確認してから近づくとよいでしょう。
応用・バリエーション
施設や病院では、ベッドに近づく時も同様の配慮が必要です。ベッドの足元側から近づき、視界に入ってから「○○さん、看護師の△△です」と名乗ることで、安心感を与えられます。
まとめ
後ろからの声かけは驚きと恐怖を与える
必ず視界に入ってから話しかける
正面または横から、ゆっくり近づく
目が合ってから穏やかに声をかける
急な接触や大きな音も避ける