スキンシップで温もりと安心を伝える
手を握る、肩に触れるなどの接触で心を通わせる
体験談
義父は認知症になってから、会話の反応が非常に遅くなりました。「ごはん、食べますか?」と聞いても、10秒、20秒と沈黙が続きます。最初は「聞こえていないのかな」と思い、何度も繰り返し聞いてしまっていました。
ある時、言語聴覚士さんから「認知症の方は、情報を処理するのに時間がかかります。質問したら、最低30秒は待ってあげてください」とアドバイスを受けました。
それからは、質問した後、じっと義父の目を見て、穏やかに待つようにしました。すると、30秒、時には1分ほど経ってから、義父が「うん、食べる」と答えてくれることが増えました。
待つことの大切さを学びました。焦らず、相手のペースに合わせることが、本当のコミュニケーションなのだと感じています。
— 83歳の義父(アルツハイマー型認知症)を同居介護する50代嫁
認知症のある方は、情報処理に時間がかかります。質問した後は、焦らず30秒以上待つことで、相手のペースに合わせたコミュニケーションができます。
詳しく知る
認知症になると、情報を受け取り、理解し、考え、言葉にするという一連のプロセスが、健康な人よりもずっと時間がかかるようになります。これは、脳の処理速度が低下しているためです。
反応が遅い理由:
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言葉の理解に時間がかかる: 聞いた言葉を理解するまでに時間が必要です。
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思考の処理が遅い: 質問の内容を考え、答えを導き出すのに時間がかかります。
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言葉を探すのに時間がかかる: 伝えたいことを言葉にするまでに時間が必要です。
この時、焦って何度も質問を繰り返したり、急かしたりすると、本人はさらに混乱し、不安になります。「急かされている」「待ってもらえない」と感じると、答える意欲を失ってしまうこともあります。
待つことの効果:
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答える時間を確保: 十分な時間があれば、自分のペースで答えられます。
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安心感: 急かされないことで、落ち着いて考えられます。
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自尊心の保持: 自分で答えられることで、自信を持てます。
「待つ」という行為は、相手への敬意と信頼の表れです。
実践のステップ
質問したら、最低30秒は待つ(長い場合は1分以上待つこともある)
待っている間、穏やかな表情で相手を見守る
沈黙を恐れず、焦らない
何度も質問を繰り返さない
「ゆっくりでいいですよ」と声をかける
答えが返ってきたら、「ありがとう」と感謝を伝える
答えられない時は、無理に聞き出さず、別の方法(実物を見せる、2択にするなど)を試す
注意点
ただし、あまりにも長く待ちすぎると、質問自体を忘れてしまうこともあります。1分以上待っても反応がない場合は、質問の仕方を変えたり、選択肢を提示したりするなど、別のアプローチを試しましょう。
応用・バリエーション
会話だけでなく、日常生活のあらゆる場面で「待つ」ことが大切です。着替え、食事、歩行など、すべての動作がゆっくりになるので、焦らず見守る姿勢が重要です。
まとめ
情報処理に時間がかかる
質問後は最低30秒待つ
焦らず、穏やかに見守る
何度も繰り返さない
待つことは敬意と信頼の表れ