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夜間はセンサーライトで足元を照らす

夜間の転倒を防ぐ照明の工夫

Yuya Kobayashi, MD, PhD

医療監修

Yuya Kobayashi, MD, PhD

認知症専門外来・在宅診療医

夜間、暗い中で目的地まで歩くことは、家具や段差に気づきにくく、転倒のリスクを大きく高めます。人の動きを感知して自動点灯するセンサーライトを主な動線に設置することが、夜間の転倒を防ぐ効果的な工夫です。

体験談

母(78歳、アルツハイマー型認知症)は、夜中にのどが渇いて水を飲みに台所まで歩いていく習慣がありました。ある夜、物音で目を覚ますと、母が廊下の途中でうずくまっていました。真っ暗な廊下の途中に置いてあった小さな踏み台につまずいて転んでしまったのです。幸い大きな怪我はありませんでしたが、あと少しで頭を打つところでした。

それまでは「夜中に電気をつけるとかえって目が覚めてしまうかもしれない」と考え、廊下の照明はあえて消したままにしていました。しかし、この出来事をきっかけに、暗さそのものが転倒の大きな原因になっていたのだと気づきました。

ケアマネジャーさんに相談し、寝室からトイレ、台所までの動線に、人の動きを感知して自動的に点灯するセンサーライトを設置しました。まぶしすぎない、足元をやわらかく照らすタイプを選び、就寝の妨げにならないよう配慮しました。

それ以来、母が夜中に起きて歩いても、足元がしっかり照らされるようになり、転倒はぴたりと止まりました。「暗くしておく方が眠りやすいはず」という思い込みが、実は大きな見落としだったのだと痛感しました。

78歳の母(アルツハイマー型認知症)を介護する49歳娘

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なぜ夜間の照明が重要なのか

夜間は、部屋の照明を消していることが多く、視界が極端に悪くなります。加齢に伴う視力の低下や、認知症による空間認識力の低下が重なると、暗い中での家具や段差の認識がさらに難しくなり、転倒のリスクが高まります。

「夜は暗くしておく方が眠りやすい」という考えは間違いではありませんが、就寝中に起き出して移動する際には、最低限の安全な明るさを確保することが優先されるべきです。センサーライトは、普段は消灯した状態を保ちながら、必要なときだけ自動で点灯するため、睡眠環境と安全性を両立できる工夫です。

センサーライトを活用する工夫

1主な夜間の動線に設置する

寝室からトイレ、台所など、夜間によく利用する経路にセンサーライトを設置しましょう。

2まぶしすぎない明るさを選ぶ

強い光は目を覚まさせすぎたり、まぶしさで転倒を誘発したりすることがあります。足元をやわらかく照らす、暖色系の弱めの光を選びましょう。

3足元灯タイプを活用する

コンセントに直接差し込むタイプの足元灯は、工事不要で手軽に設置でき、費用も比較的抑えられます。

4家具や障害物を動線上に置かない

照明を整えるだけでなく、廊下や動線上に物を置かない習慣も、あわせて徹底しましょう。

5電池切れやセンサーの誤作動を定期的に確認する

電池式の場合は、定期的に電池残量を確認し、切れたまま放置しないようにしましょう。

💬 「暗い方が眠りやすいと思い込んでいました」

介護経験者からのアドバイス

「夜中に電気をつけると目が覚めてしまうと思い込み、廊下を真っ暗なままにしていました。でも、それが転倒の原因になっていたと気づいて、本当に反省しました。

センサーライトを設置してからは、母が夜中に歩いても足元がしっかり見えるようになり、転倒がなくなりました。眠りやすさと安全性を、両方大切にする方法があったんだと学びました。」

その他の夜間の安全対策と組み合わせる

センサーライトに加えて、ベッドの高さを低めに調整する、ベッド周りに滑りにくいマットを敷くといった対策も組み合わせると、より安全性が高まります。

こんな時は専門家に相談

  • センサーライトを設置しても、夜間の転倒やふらつきが続く
  • 夜間の移動そのものが頻繁で、疲労や睡眠不足が心配される
  • 暗闇での強い不安や混乱が見られる

こうした場合は、照明の工夫だけで対応せず、かかりつけ医やケアマネジャーに相談してください。

まとめ:眠りやすさと安全性の両立を目指す

夜間の暗さは、転倒という重大なリスクを高める要因になります。センサーライトを活用し、必要なときだけ足元を照らす工夫が、睡眠環境を損なうことなく、夜間の安全を確保する効果的な方法です。

実践のステップ

  1. 寝室からトイレ、台所など夜間によく利用する動線にセンサーライトを設置する

  2. 足元をやわらかく照らす暖色系の弱めの明るさを選ぶ

  3. コンセント直挿しタイプの足元灯を活用し工事不要で設置する

  4. 廊下や動線上に家具や障害物を置かない習慣を徹底する

  5. 電池式の場合は電池残量を定期的に確認する

注意点

センサーライトを設置しても夜間の転倒やふらつきが続く場合、夜間の移動そのものが頻繁で疲労や睡眠不足が心配される場合、暗闇での強い不安や混乱が見られる場合は、照明の工夫だけで対応せず、かかりつけ医やケアマネジャーに相談してください。

応用・バリエーション

本人が明るい光を苦手とする場合は、より弱い光量のライトを選ぶ、あるいは光の色を調整できるタイプを試すなど、本人の反応を見ながら調整しましょう。

まとめ

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最終更新日:

参考文献

  1. [1]山口晴保(編)認知症の正しい理解と包括的医療・ケアのポイント 第4版協同医書出版社 (2023)

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