適切なサイズのおむつやパッドを選ぶ
快適性と漏れ防止の両立
医療監修
Yuya Kobayashi, MD, PhD
認知症専門外来・在宅診療医
「大きめを選べば安心」という思い込みで、体型に合わないおむつやパッドを使うと、不快感から本人が自分で脱いでしまうなどのトラブルにつながることがあります。体型と排尿量に合ったサイズ・吸収量を選ぶことが、快適さと漏れ防止の両立につながります。
体験談
母(81歳、アルツハイマー型認知症)に紙パンツを使い始めたとき、とにかく漏れないようにと、大きめのサイズを選び、吸収量の多い厚手のタイプを選んでいました。しかし母は股まわりの厚みとゴワつきを「きつい」「気持ち悪い」と何度も訴えて自分で脱ごうとすることが増え、その一方でサイズが体型に合っていないために隙間からの漏れもたびたび起こるようになりました。結局、漏れを防ごうと選んだ大きめ・厚手のパンツが、不快感と漏れという二つのトラブルを招く悪循環になっていたのです。
ドラッグストアの介護用品コーナーで相談してみたところ、店員さんから「サイズは大きめではなく、体型にぴったり合ったものを選ぶのが基本です。厚みも、実際の排尿量に合わせて選ぶ必要があります」とアドバイスされました。
改めて母のウエストサイズを測り、体型に合ったサイズに変更し、日中は薄手のタイプ、夜間は吸収量の多いタイプというように使い分けるようにしました。すると、母の「きつい」「気持ち悪い」という訴えが減り、自分で脱ごうとする行動もほとんど見られなくなり、隙間からの漏れもなくなりました。
「大は小を兼ねる」という思い込みが、実は逆効果だったのだと気づかされた出来事でした。
— 81歳の母(アルツハイマー型認知症)を介護する53歳娘
詳しく知る
なぜサイズ選びが重要なのか
なぜサイズ選びが重要なのか
おむつやパッドは、漏れを防ぐことを優先するあまり、大きめのサイズや厚手のタイプを選んでしまいがちです。しかし、体型に合わない大きすぎるサイズは、隙間から漏れやすくなったり、ズレによる不快感や皮膚トラブルの原因になったりすることがあります。
また、厚みや締め付けによる不快感は、認知症のある方にとって「気持ち悪い」「苦しい」という強い違和感として感じられ、自分で脱いでしまう、落ち着きがなくなるといった行動につながることがあります。適切なサイズと吸収量を選ぶことは、漏れの防止だけでなく、本人の快適さと行動の安定にも直結する重要な工夫です。
適切な製品を選ぶポイント
適切な製品を選ぶポイント
1ウエストサイズを実際に測る
「大きめが安心」という思い込みを捨て、実際のウエストサイズに合った製品を選びましょう。パッケージのサイズ表を参考に、体型にフィットするものを選びます。
2排尿量に応じて吸収量を選ぶ
日中の活動時間と夜間の睡眠時間では、必要な吸収量が異なります。日中は薄手で動きやすいタイプ、夜間は吸収量の多いタイプというように使い分けましょう。
3素材の肌触りを確認する
通気性のよい素材や、肌に優しい素材を選ぶことで、蒸れやかぶれを防ぎやすくなります。
4本人の反応を確認する
実際に着用してもらい、「きつくないか」「気持ち悪くないか」といった反応を観察し、必要に応じてサイズや種類を調整しましょう。
5専門家や店舗のスタッフに相談する
介護用品専門店やドラッグストアの介護用品コーナー、ケアマネジャーに相談すると、体型や状態に合った製品を提案してもらえます。
💬 「大きめが安心だと思い込んでいました」
💬 「大きめが安心だと思い込んでいました」
介護経験者からのアドバイス
「漏れが心配で、とにかく大きくて厚いものを選んでいましたが、それが逆に母を苦しめていたんだと知って、反省しました。
体型に合ったサイズに変えただけで、母の不快感からくる行動が驚くほど減りました。『安心のために大きめを』という考えは、必ずしも正解ではないんだと学びました。」
サイズが合っているかのチェックポイント
サイズが合っているかのチェックポイント
- 足回りや腰回りに大きな隙間ができていないか
- 着用後、本人が頻繁に触ったり気にしたりしていないか
- 漏れやすい部分(横漏れ、後ろ漏れなど)がないか
こんな時は専門家に相談
こんな時は専門家に相談
- サイズや種類を調整しても、頻繁に漏れが起こる
- おむつかぶれなど皮膚トラブルが改善しない
- 排尿量や排尿パターンに急激な変化がある
こうした場合は、製品選びだけで対応せず、かかりつけ医や看護師、介護用品の専門相談窓口に相談してください。
まとめ:大きさより「合っているか」を優先する
まとめ:大きさより「合っているか」を優先する
おむつやパッドは、大きければ安心というものではありません。体型と排尿量に合ったサイズ・吸収量を選ぶことが、漏れの防止と本人の快適さの両方を実現する基本です。
実践のステップ
実際のウエストサイズを測り、体型に合った製品を選ぶ
日中は薄手、夜間は吸収量の多いタイプというように使い分ける
通気性がよく肌に優しい素材を選ぶ
着用後の本人の反応(きつさ、不快感)を観察し必要に応じて調整する
介護用品専門店やケアマネジャーに相談し体型・状態に合った製品を提案してもらう
注意点
サイズや種類を調整しても頻繁に漏れが起こる場合、おむつかぶれなど皮膚トラブルが改善しない場合、排尿量や排尿パターンに急激な変化がある場合は、製品選びだけで対応せず、かかりつけ医や看護師に相談してください。
応用・バリエーション
活動量が多い方には動きやすさを重視したパンツタイプ、寝たきりに近い方にはテープ止めタイプなど、生活スタイルに合わせた形状の選択も重要です。介護用品専門店で試供品を試してから購入する方法もあります。
まとめ
このヒントのポイント
大きめ・厚手を選べば安心という思い込みは逆効果になることがある
体型に合ったサイズと排尿量に応じた吸収量を選ぶことが基本
日中・夜間で吸収量のタイプを使い分ける
着用後の本人の反応を観察し必要に応じて調整する
頻繁な漏れや皮膚トラブルが続く場合は専門家に相談する
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