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便秘対策で水分・食物繊維を意識

排便リズムを整える生活習慣

Yuya Kobayashi, MD, PhD

医療監修

Yuya Kobayashi, MD, PhD

認知症専門外来・在宅診療医

食事量や水分摂取量の減少、活動量の低下は、便秘を引き起こしやすくします。水分と食物繊維を意識的に摂り、適度な運動を取り入れることが、排便リズムを整える生活習慣の基本になります。

体験談

祖母(85歳、アルツハイマー型認知症)は、施設に入所してから食が細くなり、水分もあまり摂らなくなっていました。ある時期から、お腹が張って苦しそうな様子を見せることが増え、機嫌も悪くなりがちでした。便秘が続いていたのです。

最初は下剤に頼ることで対応していましたが、看護師さんから「下剤だけに頼るより、水分と食物繊維、それに適度な運動を見直すことも大切です」とアドバイスされました。

それから、朝起きたときにコップ一杯の水を飲む習慣をつけ、食事にはヨーグルトや野菜、海藻類など食物繊維を意識的に取り入れるようにしました。また、車椅子でも無理なくできる範囲で、毎日短い時間でも体を動かす機会を作りました。

数週間続けるうちに、祖母の排便リズムが少しずつ整い始め、お腹の張りを訴える回数も減っていきました。下剤に頼りきるのではなく、生活習慣を整えることで改善できる部分があったのだと実感しました。今でも下剤は必要な時に使いますが、生活習慣の見直しを土台にすることの大切さを学びました。

85歳の祖母(アルツハイマー型認知症、施設入所中)を見守る孫

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なぜ便秘が起こりやすいのか

加齢や認知症の進行に伴い、食事量や水分摂取量が減少し、活動量も低下しやすくなります。これらはいずれも、腸の動き(蠕動運動)を弱め、便秘を引き起こす要因になります。また、便意を感じにくくなったり、トイレに行くタイミングをうまく判断できなくなったりすることも、便秘の悪化につながります。

便秘が続くと、お腹の張りや不快感から、食欲低下や機嫌の悪化、落ち着きのなさにつながることがあります。下剤に頼りきるのではなく、日常生活の中で排便リズムを整える工夫を土台にすることが大切です。

排便リズムを整える生活習慣

1起床時にコップ一杯の水を飲む

朝起きてすぐに水分を摂ることで、腸が刺激され、排便が促されやすくなります。

2食物繊維を意識的に取り入れる

野菜、海藻、きのこ、ヨーグルトなどの発酵食品を、無理のない範囲で食事に取り入れましょう。ただし、急激に量を増やすとかえってお腹に負担がかかることもあるため、少しずつ増やしていきましょう。

3適度な運動を取り入れる

散歩や軽い体操など、無理のない範囲で体を動かす習慣は、腸の動きを促す助けになります。車椅子の方でも、座ったままできる軽い運動を取り入れましょう。

4決まった時間にトイレに座る習慣をつける

食後などのタイミングで、便意の有無にかかわらず一定時間トイレに座る習慣をつけると、排便リズムが整いやすくなります。

5お腹をやさしくマッサージする

「の」の字を描くように、お腹を時計回りに優しくマッサージすることも、腸の動きを助ける工夫の一つです。

💬 「下剤に頼りきりでした」

介護経験者からのアドバイス

「便秘が続いたとき、下剤だけで何とかしようとしていました。でも、水分・食物繊維・運動という基本的な生活習慣を見直すだけで、こんなに変わるとは思っていませんでした。

下剤が必要な場面もありますが、それだけに頼らず、生活の土台を整えることの大切さを実感しています。」

便の状態を観察するポイント

  • 排便の頻度(何日出ていないか)
  • 便の硬さ、量、色
  • 排便時の苦痛や出血の有無

こうした点を記録しておくと、医師に相談する際にも役立ちます。

こんな時は医療機関に相談

  • 生活習慣を見直しても便秘が改善しない
  • 数日以上排便がなく、腹部の張りや痛みが強い
  • 便に血が混じっている、または黒っぽい便が見られる
  • 嘔吐や食欲不振を伴う

こうした場合は、自己判断で市販の下剤を使い続けず、かかりつけ医に相談してください。

まとめ:下剤だけに頼らず、生活の土台を整える

便秘は、水分・食物繊維・運動という日常生活の基本を整えることで、改善が期待できる場合があります。下剤に頼りきる前に、生活習慣を見直すことが、排便リズムを整える第一歩になります。

実践のステップ

  1. 起床時にコップ一杯の水を飲む習慣をつける

  2. 野菜、海藻、発酵食品など食物繊維を無理のない範囲で食事に取り入れる

  3. 散歩や座ったままできる軽い運動を日常に取り入れる

  4. 食後など決まった時間にトイレに座る習慣をつける

  5. お腹を時計回りに優しくマッサージする

  6. 排便の頻度・便の状態を記録し変化に気づけるようにする

注意点

生活習慣を見直しても便秘が改善しない場合、数日以上排便がなく腹部の張りや痛みが強い場合、便に血が混じる・黒っぽい便が見られる場合、嘔吐や食欲不振を伴う場合は、自己判断で市販の下剤を使い続けず、かかりつけ医に相談してください。

応用・バリエーション

水分摂取が難しい場合は、スープや果物など食事から水分を補う工夫を取り入れましょう。食物繊維を急に増やすとお腹が張ることがあるため、少量から様子を見ながら増やすことが大切です。

まとめ

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最終更新日:

参考文献

  1. [1]山口晴保(編)認知症の正しい理解と包括的医療・ケアのポイント 第4版協同医書出版社 (2023)

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