良いケアマネジャーの選び方・見極め方
良いケアマネジャーの選び方には、レスポンスの速さ・認知症対応の実績への具体性・モニタリングの姿勢・本人と家族双方への配慮など5つの見極めポイントがあります。契約後の変更方法や面談前に確認したいチェックリストも、実際の家族の体験談を交えて解説します。
医療監修
Koba MD, PhD
認知症専門外来・在宅訪問診療に従事
ケアマネとの情報共有に医師の所見が役立ちます。認知症を専門とする医師が48時間以内に回答します。お試し相談¥1,000〜。
良いケアマネジャーの選び方・5つの見極めポイント
良いケアマネジャーの選び方に絶対の正解はありませんが、契約前・契約後に確認しておきたい見極めポイントがあります。まずは押さえておきたい5つのポイントと、よくある失敗パターンを解説します。
1. 「レスポンスの速さ」を最初の1〜2ヶ月で見る
緊急時の連絡体制は言葉より実績で判断すべきポイントです。問い合わせへの反応速度は、その後の対応力を予知する参考になることがしばしばです。
2. 認知症対応の実績と提案の具体性を確認する
「様子を見ましょう」で終わるか、具体策が出てくるかで差が出ます。面談時に「認知症の方への対応実績は」と直接聞いてみるとよいでしょう。ケアマネジャー=認知症の専門家というわけでは必ずしもありません。
3. モニタリングを「儀式」で終わらせないかを見る
月1回15分で「お変わりないですか」だけで終わるモニタリングは要注意です。生活の変化を丁寧に聞き取り、プランの見直しにつなげる姿勢があるかを、実際の訪問で確かめましょう。
4. 本人の意向と家族の負担、両方に目を配っているか
本人の希望だけでなく、家族の睡眠不足や仕事との両立にも気づいて提案してくれるかは、長く付き合う上で重要になります。
5. 最初の1件で決めず、複数を比較する
地域包括支援センターに相談すれば、事業所のリストや評判の情報も得られます。1件目で即決しなければいけない、というわけではありません。
ケアマネジャー選びでよくある失敗パターン
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病院や役所に勧められた1件だけで決めてしまう
紹介はあくまで候補のひとつと捉え、複数を比較する余地を残しておきたいところです。
「感じが悪くない」という相性だけで専門性を見ない
物腰が丁寧でも、認知症特有の対応力や提案力が伴わないケースはあります。人当たりの良さと専門性は分けて見る必要があります。
契約後は変更できないと思い込む
ケアマネジャーの変更は制度上いつでも可能で、遠慮する必要はありません。
緊急時の連絡体制を契約前に確認していない
夜間や休日の対応可否は、実際にトラブルが起きてから初めて分かることが多いものです。契約前に必ず具体的に質問しておくべき点です。
不満があっても「わがままかもしれない」と我慢する
モニタリングでの物足りなさを感じても言い出せず、そのまま数ヶ月放置してしまうケースは多いものです。違和感は早めに口に出すことが本人のためにもなります。
ケアマネジャー面談前に確認したいチェックリスト
体験談:ケアマネジャーを変更したご家族のケース
三浦知子さん(49)が、夫の母・君子さん(83)の介護支援専門員(ケアマネジャー)を選ぶことになったのは、君子さんが自宅の階段で足を滑らせて骨折し、3週間の入院を経て退院する日が決まったときだった。血管性認知症と診断されてから1年、最近は物忘れに加えて夜間に不安が強くなることが目立ちつつあった。
退院前日、病院のソーシャルワーカーから「このあたりの居宅介護支援事業所です」と、A4用紙1枚に印刷された事業所リストを渡された。知子さんは仕事帰りで疲れていたこともあり、「家から一番近いところでいいか」と、リストの上から2番目にあった事業所に電話をかけた。担当になったのは工藤という中年の男性ケアマネジャーだった。
最初の顔合わせは悪くなかった。物腰は丁寧で、必要な書類もすぐに揃えてくれた。ただ、契約してからの3ヶ月間が経つころに知子さんは少しずつ違和感を覚えるようになった。月1回のモニタリング訪問は決まって15分ほどで終わり、「お変わりないですか」から始まって「じゃあこのままで」というやり取りが続くだけ。君子さんの夜間の不穏がひどくなり、深夜に「誰か知らない人がいる」と騒ぐようになったことを伝えても、「そういう時期もよくありますから、もう少し様子を見ましょう」と返されるばかりだった。
決定的だったのは、ある夜のことだ。午前2時過ぎ、君子さんがトイレに行こうとして転倒し、額を切って血が止まらなくなった。知子さんは救急車を呼びながら、震える手で工藤さんの携帯に電話をかけた。3回、4回とかけ直したが出ない。留守番電話に「至急連絡ください」と吹き込んだが、折り返しがあったのは2日後だった。「すみません、その日は別件の対応で立て込んでいて」という工藤さんの言葉に、知子さんは初めて「この人に本当に任せていていいのだろうか」と疑問を持った。
翌週、知子さんは地域包括支援センターに相談に行った。「ケアマネジャーは途中で変更できますよ」という職員の一言に驚いた。契約した以上は変えられないものだと思い込んでいたのだ。センターから紹介された事業所を含め、3つの居宅介護支援事業所に問い合わせ、それぞれ面談を申し込んだ。事前に「緊急連絡の体制はどうなっているか」「認知症の方の対応実績はどれくらいか」といった質問をメモにまとめて臨んだ。
3件目で会った遠藤さんという女性ケアマネジャーは、明らかに違った。君子さんの転倒の経緯を聞くと、その場で「夜間はセンサーマットと手すりの追加を検討しましょう。あと、知子さんの睡眠時間を確保するために、月1回でもショートステイを入れませんか」と具体的な提案をしてくれた。緊急時は事業所の携帯に24時間つながること、対応できない時間帯は別の担当者がフォローする体制になっていることも説明してくれた。知子さんはその日のうちに、遠藤さんへの変更を決めた。
遠藤さんに変わってから半年、君子さんの夜間の転倒はセンサーマットのおかげか一度も起きていない。月1回のショートステイのおかげで、知子さんもまとまった睡眠を取れる日ができた。「遠藤さんに交代してもらえて助かった」と知子さんは今も思う。ケアマネジャーは一度決めたら終わりではなく、違和感を覚えたときや相性に疑問を感じたときには見直せるものだということを覚えておいてください。
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