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ホーム記事ケアマネと信頼関係を築く5つの習慣
ケアガイド医師査読済 · 2026年7月公開 2026年7月12日

ケアマネと信頼関係を築く5つの習慣

良い連携を続けるために家族側でできる報告・相談の習慣。

認知症ケアマネcluster:care-manager

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小林雅之さん(52)が父・勝男さん(84)の担当ケアマネジャー、中村恵子さんと契約を交わしたのは、勝男さんが要介護2の認定を受けた昨年の初夏だった。中村さんは月に一度、決まった水曜の午後にモニタリングで自宅を訪れる。雅之さんは最初、その時間を「業務上の手続き」としか思っていなかった。


契約から4か月ほど経ったある晩、事件が起きた。夜10時過ぎ、雅之さんが風呂から上がると、玄関の鍵が開いていて勝男さんの姿がなかった。近所を探しても見当たらず、警察に連絡してようやく、勝男さんが2キロ離れたコンビニの前で保護されていることが分かった。「お父さん、こんな時間にどこ行ってたの」。震える声で尋ねる雅之さんに、勝男さんは「駅に、電車に乗りに」とだけ答えた。


実はその1週間ほど前から、勝男さんが夕方になると「仕事に行く」と言って落ち着かなくなる様子が出ていた。雅之さんも気づいてはいたが、「何かの機会があったときに話せばいいか」「忙しそうな中村さんの手を煩わせるほどでもない」と、そのままにしていた。次の水曜、中村さんに一部始終を話すと、彼女が少し表情を曇らせたように見えた。「今回はご本人も怪我なく無事で大きな事件にはなりませんでしたが、次も必ずそうとは限りません。事件が起こってから対処するのではなく、事件そのものを未然に防ぎたいと思いますので、些細なことでも構いません。今後何か変化を感じたら教えていただけますか?」。小林さんは「情報を止めていたのは自分であり、結果としていろいろな方の助けが必要になった」と思わず反省するしかなかった。


その日から雅之さんは意識を入れ替えた。専用のノートを買い、勝男さんの様子を毎日数行だけ書き留めるようにした。「16時、そわそわして玄関を気にしている」「夕飯完食、機嫌よし」。些細な変化でも気になったらその日のうちに中村さんへLINEで一報を入れておいた(返信は不要であることを明記していたが、中村さんは毎回一言返事をしてくれた)。最初は「こんなことまで連絡していいのか」と迷ったが、中村さんから「些細に見えることほど助かります」と言われ、「今日は土曜丑の日、うなぎを食べました」と本当に連絡しなくて良いだろうことまでメッセージを送った(ちなみに「うなぎに豊富に含まれるビタミンB1は脳に良いようです!」と博識な情報が返ってきた)。


まもなく玄関にセンサー付きチャイムを付け、デイサービスの日数を増やす提案も、雅之さんが日々の記録を見せながら相談したのが功を奏したのか、驚くほどスムーズに決まった。「もちろん業務であることはその通りなのですが、人間関係である以上はお互いの信頼関係って大切ですね」。


ケアマネと信頼関係を築く5つの習慣


1. 変化はその場で「一報」を入れる

良いことも悪いことも、気づいた日のうちに連絡する。雅之さんが痛感したように、夜間の不穏や外出願望などのサインは、次の面談まで抱え込まず、電話一本・LINE一言で共有するだけで対応の速さが大きく変わる。


2. 記録を「見える形」にして持ち寄る

簡単な日誌やメモでよいので、日々の様子を残しておく。「16時にそわそわする」「夕飯を残す日が週2回あった」といった具体的な記録があると、ケアマネジャーは状況を正確に把握でき、サービス提案の精度も上がる。


3. うまくいっていないことこそ正直に話す

「困っていると言うのは努力が足りていないようで情けない」という気持ちを脇に置き、対応できずに不安に感じていることをそのまま伝えよう。困っていることが分かれば、それに対して初めて具体的な提案をすることができるようになる。


4. 方針は「一緒に考える」姿勢で臨む

「お任せします」だけでも「こうしてください」だけでもなく、家庭の事情や本人の性格を伝えたうえで、複数の案から一緒に選ぶ。中村さんが提示したデイサービス増回の案も、雅之さんが記録をもとに希望を伝えたからこそ本人に合う形に調整できた。


5. 感謝や労いの言葉を惜しまない

月1回の訪問の最後に「いつも助かっています」「先月の提案、本当に良かったです」と一言添える。事務的なやり取りだけの関係より、信頼をベースにした関係のほうが、いざという時に率直な相談がしやすくなる(もちろんこれはケアマネに限った話ではありませんが)。


ケアマネとの関わりでよくある失敗パターン

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良い報告しかしない

雅之さんの当初のように、(さっと業務連絡を終わらせるために)「大丈夫です」「特に気になることはありません」など、うまくいっている話ばかりして困りごとを隠すと、ケアマネジャーは実態より軽い状態と判断するしかないので、必要な支援が遅れてしまうことに。


「次の面談で話せばいい」と抱え込む

月1回のモニタリングを待つ間に状況が悪化し、気づいた時には対応が後手に回る。緊急性のある変化は待たずに連絡するのが鉄則。ほうれん草を!


全てを任せきりにして意見を言わない

本人の性格や家庭の事情はケアマネジャーには分からない部分も多い。黙って従うだけでは、実情に合わないケアプランになりやすい。


逆に細かい注文や催促ばかりする

月に何度も催促の連絡を入れたり、他の家族の対応と比較して不満をぶつけたりすると、率直な相談がしにくい関係になってしまう。どちらの立場が強いとか打算的な認識をすることなく、対等な協力関係を意識したい。


担当者が変わることを過度に嫌がる

異動や退職で担当ケアマネジャーが交代することもある。引き継ぎ内容を確認し、これまでの記録を新しい担当者にも共有する姿勢が信頼関係の継続につながる。


ケアマネとの信頼関係を保つ日々の習慣チェック

  • 気づいた変化はその日のうちに電話・LINEで一報を入れていますか
  • 簡単でよいので日々の様子をメモに残しておきましょう
  • できていないこと・困っていることを隠さず正直に伝えること
  • ケアプランの相談時は「お任せ」ではなく希望や事情を言葉にする
  • ケアマネは業務の規定以上の配慮を示してくれることも。感謝の気持ちを忘れずに!
  • 担当者交代時は、これまでの記録やお願いしたい点を引き継いでもらう

  • あの夜以来、雅之さんのノートは1年分近くたまり、中村さんとのやり取りも続いている。またその心のゆとりが伝わっているのか玄関のセンサーが鳴ることも月に1度あるかないかまで減り、勝男さんも落ち着いて過ごせる時間が増えた。「困った時ほど早く言う」という当たり前のことに気付いただけで、ケアマネジャーとの関係も、父の暮らしも、確実に楽になったと雅之さんは感じている。

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    本記事は神経内科・精神科医師 Koba MD, PhD による監修・査読を経て公開しています。 査読日: 2026年7月

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    公開日: 2026年7月12日

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