
認知症を感動的なストーリーの題材にして、「ぼくの考えた最強のお涙ちょうだいドラマ」に仕立て上げるムーブが一定数ある気がして、もやっとする。
「医学的にそんなことあるだろうか」という違和感から始まり、いつしか感動的だったはずのストーリーがあら探しの対象に変わっていく。安っぽいを通り越して、苛立ちすら覚える。そして「やはりこれは空想の物語だったのだ」と、複数の根拠をでっち上げ、勝手に決めつけてしまう。
——本当は、そのストーリーが事実に基づいている可能性はあるかも知れない。人間の記憶なんて曖昧で、色んなことを美化したがるものだから。
それでも医師としてやはり思ってしまう。よく調べもしないで実在する疾患を扱うな、と。せめて深く調べてからにしてくれ。現実の世界でその疾患と闘っている患者さんを、安っぽい大衆ドラマの道具として消費しないでほしい。