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フィクションであることを明らかにしていないフィクションに思うこと
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フィクションであることを明らかにしていないフィクションに思うこと
📝 コラム2026年6月10日更新 2026年7月2日

フィクションであることを明らかにしていないフィクションに思うこと

認知症を感動的なストーリーの題材にして、「ぼくの考えた最強のお涙ちょうだいドラマ」に仕立て上げてしまうムーブが一定数あるように感じて、正直もやっとする。


「医学的にそんなことがあるだろうか」という違和感から始まり、いつしか感動的だったはずのストーリーが、あら探しの対象に変わっていく。安っぽいを通り越して、苛立ちすら覚えてしまう。そして「やはりこれは空想の物語だったのだ」と、複数の根拠をでっち上げては、勝手に決めつけてしまう。


——本当は、そのストーリーが事実に基づいている可能性だってあるかもしれない。人間の記憶なんて曖昧で、いろんなことを美化したがるものだから。


それでも医師としては、やはり思ってしまう。よく調べもせずに実在する疾患を扱わないでほしい、と。せめて深く調べてからにしてほしい。現実の世界でその疾患と闘っている患者さんを、安っぽい大衆ドラマの道具として消費しないでほしいのだ。

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