
医師が教える「薬が必要なケース」と「家庭でできる対応」
認知症の幻覚・妄想は、家族を最も追い詰める症状のひとつです。
よくある訴えの例
こうした言葉を突然向けられると、家族は深く傷つき、どう対応すればいいのか分からなくなります。
これは脳の誤作動であり、ご本人は「本当に見えている・聞こえている」ため、否定すると症状が悪化します。
医師からのひとこと
適切な治療と対応で、改善するケースが多くあります。
幻視(そこにいない人・虫・動物が見える)
レビー小体型認知症で特に多い症状です。
被害妄想(盗られた・誰かが家にいる)
アルツハイマー型で頻繁に見られます。
誤認妄想(家族を他人と思う)
夕方〜夜に悪化しやすい特徴があります(夕暮れ症候群)。
幻聴(誰かに命令されているように聞こえる)
強い恐怖を伴うことが多く、生活に支障が出やすい症状です。
以下に当てはまる場合は薬物治療を検討します。

レキサルティ(ブレクスピプラゾール)
副作用が比較的少なく、興奮・暴言が強いケースで有効。ふらつき・眠気が出ることがある。「攻撃性+妄想」タイプに特に強い薬です。
リスパダール(リスペリドン)
幻覚・妄想に最もよく使われる。即効性がある一方で、ふらつき・眠気などの副作用に注意が必要です。
セロクエル(クエチアピン)
不眠+妄想に強く、夜間の症状に使われることが多い。副作用として眠気が出やすいです。
メマリー(メマンチン)
アルツハイマー型の興奮・暴言・妄想を和らげる。コリンエステラーゼ阻害薬(アリセプト)と組み合わせることが多い。
抑肝散(よくかんさん)
イライラ・怒りっぽさ・興奮に効果。幻覚そのものより"怒りの反応"を和らげる。漢方と侮るなかれ、しっかり効きます。
アリセプト(ドネペジル)に注意
幻覚・妄想を"逆に"悪化させることがある。特にレビー小体型では注意が必要です。
「そんな人いないでしょ」と頭ごなしに否定すると幻覚が悪化します。
怖かったね。一緒に確認してみようね。
ご本人の言葉を先に受け止めましょう。妄想の背景には「不安」があります。
"影"はしばしば幻視の原因になります。
環境チェックリスト
昼夜逆転は幻覚・妄想を悪化させます。
家族のメンタルケアも治療の一部です。

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