治療・薬物療法最新情報医師査読済 · 2026年3月

レカネマブ(レケンビ)とは?専門医が費用・効果・副作用を徹底解説

世界初のアルツハイマー病の「原因治療薬」として注目されるレカネマブ(商品名レケンビ)。保険適用後の費用から、適用条件・ARIA副作用・実際の効果まで、認知症専門医が詳しく解説します。

公開 2026年4月14日更新 2026年5月2日

この記事のポイント

  • レカネマブはアルツハイマー病の原因物質「アミロイドβ」を除去する初の承認薬
  • 2024年9月に日本で保険適用。高額療養費制度の対象
  • 対象は早期アルツハイマー病(MCI〜軽度)のみ。中等度以降は適応外
  • ARIAと呼ばれる副作用(脳浮腫・微小出血)のモニタリングが必須
  • 認知機能低下を約27%抑制(プラセボ比)。進行を「遅らせる」薬であり「治す」薬ではない

レカネマブとはどんな薬か

レカネマブ(商品名:レケンビ、開発:エーザイ・バイオジェン)は、アルツハイマー病の原因となるアミロイドβプロトフィブリルに選択的に結合し、脳内からその蓄積を除去する「抗アミロイドβ抗体薬」です。

従来の認知症治療薬(コリンエステラーゼ阻害薬など)が「症状を緩和する」対症療法であるのに対し、レカネマブはアルツハイマー病の根本原因に働きかける「疾患修飾薬」です。2023年1月に米国FDA加速承認、同年7月に通常承認、そして日本では2023年9月に製造販売承認、2024年9月に保険適用となりました。

臨床試験(CLARITY AD)の結果

早期アルツハイマー病患者1,795名を対象とした第3相試験「CLARITY AD」では、18カ月の投与後に認知・日常機能の複合評価指標(CDR-SB)の悪化を約27%抑制しました。

CLARITY AD 主要結果(18カ月)

CDR-SB悪化抑制約27%(プラセボ比)
ARIA-E発現率12.6%(プラセボ1.7%)
ARIA-H発現率17.3%(プラセボ8.7%)
症候性ARIA約3%(多くは無症状)

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費用・保険適用について

2024年9月の保険適用後、レカネマブは高額療養費制度の対象となりました。薬剤費の公定薬価は年間約315万円(10mg/kg・2週間ごと点滴)ですが、患者の実際の自己負担額は所得区分によって大きく異なります。

一般的な所得区分(年収約370万〜770万円)では高額療養費の上限が月8〜9万円程度となり、年間100万円前後の自己負担が目安となります。ただし…

ただし、処方可能な施設が限定されており(アミロイドPET・MRI設備を持つ専門病院のみ)、紹介状なしに受診できない場合がほとんどです。また、投与開始前にはAPOE ε4遺伝子型の確認も推奨されており、APOE ε4ホモ接合体の方はARIAリスクが特に高いとされています。費用補助制度や医療費控除の活用法についても解説します。

↑ 続き(残り約2,800字)保険適用後の実費・補助制度・APOE検査費用まで解説

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医療情報に関するご注意

本記事は情報提供を目的としており、個別の診断・治療方針の決定を行うものではありません。実際の治療については、必ず担当医にご相談ください。薬剤費・保険適用条件は変更される場合があります。

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