基礎知識比較ガイド専門医監修

認知症の種類と違い:4大認知症を徹底比較

「認知症」は単一の疾患ではなく、複数の異なる疾患の総称です。アルツハイマー型・レビー小体型・血管性・前頭側頭型など、種類によって原因・症状・進行・治療法が大きく異なります。正確な種類を知ることが適切なケアの第一歩です。

この記事でわかること

  • 4大認知症(アルツハイマー型・レビー小体型・血管性・前頭側頭型)の違い
  • それぞれの早期サインと見分け方
  • 種類別の治療法・対応の違い
  • 認知症の種類を確定診断するための検査

4大認知症の特徴

アルツハイマー型認知症

有病率 約60〜70%
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主な特徴

記憶障害が最初に現れることが多い。とくに新しい出来事を覚えられなくなる。

進行パターン

緩やか(数年〜10年かけて進行)

早期サイン

  • 最近の出来事を繰り返し聞く
  • 同じ話を何度もする
  • 財布・鍵の置き場所を忘れる

主な治療・対応

コリンエステラーゼ阻害薬(アリセプト等)、2024年よりレカネマブ(保険適用)

レビー小体型認知症

有病率 約10〜20%
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主な特徴

幻視(「部屋に人がいる」)、パーキンソン症状(歩行障害・手の震え)、睡眠時の行動異常が特徴。

進行パターン

変動あり(良い日・悪い日がある)

早期サイン

  • リアルな幻視(小動物・人が見える)
  • 昼間の眠気が激しい
  • 眠っているときに叫んだり暴れたりする

主な治療・対応

コリンエステラーゼ阻害薬。抗精神病薬の使用は慎重に(感受性亢進)。

血管性認知症

有病率 約15〜20%
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主な特徴

運動機能障害(麻痺・歩行障害)を伴うことが多い。感情失禁(些細なことで泣いたり笑ったり)もみられる。

進行パターン

階段状に悪化(脳梗塞のたびに急激に悪化)

早期サイン

  • 脳梗塞後に認知機能が急激に落ちた
  • 物忘れと運動障害が一緒に出た
  • 感情のコントロールが難しくなった

主な治療・対応

根本治療薬なし。脳血管リスク(高血圧・糖尿病)の管理が最重要。

前頭側頭型認知症(FTD)

有病率 約5%
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主な特徴

記憶よりも人格変化・行動異常・言語障害が先行する。万引き・脱抑制など社会的行動の問題が目立つ。

進行パターン

比較的早い年齢(40〜60代)に多い

早期サイン

  • 急に性格が変わった
  • 社会的ルールを守れなくなった
  • 言葉が出にくくなった、または流暢に話せなくなった

主な治療・対応

認知症向け保険適用薬なし。行動症状への対症療法と環境調整が中心。

一覧比較表

項目アルツハイマー型レビー小体型血管性前頭側頭型
有病割合約60〜70%約10〜20%約15〜20%約5%
進行パターン緩やか(数年〜10年かけて進行)変動あり(良い日・悪い日がある)階段状に悪化(脳梗塞のたびに急激に悪化)比較的早い年齢(40〜60代)に多い
主な症状の特徴記憶障害が最初に現れることが多い。とくに新しい出来事を覚えられなくなる。幻視(「部屋に人がいる」)、パーキンソン症状(歩行障害・手の震え)、睡眠時の行動異常が特徴。運動機能障害(麻痺・歩行障害)を伴うことが多い。感情失禁(些細なことで泣いたり笑ったり)もみられる。記憶よりも人格変化・行動異常・言語障害が先行する。万引き・脱抑制など社会的行動の問題が目立つ。
主な原因アミロイドβとタウタンパクの蓄積。詳細な原因はまだ解明されていない。レビー小体(αシヌクレインの蓄積)が大脳皮質やブレインステムに出現。脳梗塞・脳出血・小血管病変による神経細胞の損傷。TDP-43やタウタンパクの蓄積。FUS変異など遺伝的要因もある。
主な治療コリンエステラーゼ阻害薬(アリセプト等)、2024年よりレカネマブ(保険適用)コリンエステラーゼ阻害薬。抗精神病薬の使用は慎重に(感受性亢進)。根本治療薬なし。脳血管リスク(高血圧・糖尿病)の管理が最重要。認知症向け保険適用薬なし。行動症状への対症療法と環境調整が中心。

認知症の種類はどうやって確定診断するのか

認知症の種類を確定診断するには、以下の検査が組み合わせて行われます。

神経心理検査MMSE・HDS-R・MoCa-Jなどで認知機能のプロフィールを評価。どの能力が落ちているか(記憶・言語・遂行機能など)で種類の手がかりになります。
脳画像検査(MRI/CT)萎縮の部位(海馬→アルツハイマー型、前頭側頭葉→前頭側頭型)や梗塞巣(血管性)を確認します。
SPECT/PET検査脳血流・アミロイドPET・DATスキャン(ドパミントランスポーター)など。特にレビー小体型の診断にDATスキャンが有用です。
脳脊髄液検査アミロイドβ42・タウ・p-タウを測定。アルツハイマー型の補助診断に使われます。レカネマブ適用判定にも必要です。

※ 確定診断は認知症専門医または認知症疾患医療センターでの精査を推奨します。かかりつけ医から紹介状を書いてもらうことで受診しやすくなります。

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専門医によるよくある質問への回答

Q. アルツハイマー型とレビー小体型を見分けるポイントは?

レビー小体型の特徴的な症状として「具体的な幻視(小さな子供・動物が見える)」「パーキンソン症状(小刻み歩行・前傾姿勢)」「認知機能の日内変動(朝は良くて夜は混乱する)」が挙げられます。これらがあればレビー小体型を疑います。DATスキャンが鑑別に有用です。

Q. 血管性認知症は予防できますか? A. 血管性認知症は4大認知症の中で最も「予防可能性が高い」と言われています。原因が脳の血管障害であるため、高血圧・糖尿病・高脂血症・心房細動などの脳血管リスクを管理することで発症・進行を大幅に抑えられます。すでに軽度認知障害(MCI)の段階であっても…

↑ 続き(残り約1,900字)血管性認知症の予防・前頭側頭型の行動症状対応についても解説

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