Dementia Connect

認知症に関わるすべての方をつなぐ総合プラットフォーム

ご利用目的から探す

  • ご本人の方へ
  • 予防・不安な方へ
  • ご家族の方へ
  • ケアマネジャーの方へ
  • 医療・介護専門職の方へ
  • 企業・団体の方へ

サービス

  • テーマガイド
  • 記事・ニュース
  • ひとりごと手帖
  • 共生のヒント100選
  • 認知症の基礎知識
  • BPSD
  • お悩み相談事例
  • セルフチェック

ご相談

  • 医師にオンライン相談
  • ケアマネの方へ(Connect Memo)

運営情報

  • 料金プラン
  • 運営者情報
  • よくある質問
  • プライバシーポリシー
  • 利用規約
  • 特定商取引法に基づく表記
  • X(@D___connect)

© 2026 Dementia Connect. All rights reserved.

ホームBPSD認知症の帰宅願望——「家に帰りたい」と訴える理由と、家族の対応ガイド
BPSD症状医師査読済 · 2026年7月公開 2026年7月10日

認知症の帰宅願望——「家に帰りたい」と訴える理由と、家族の対応ガイド

施設や自宅にいても「家に帰らないと」と繰り返す帰宅願望。多くは不安や役割の喪失感の表れです。夕暮れ症候群との関係と、否定せず気持ちに寄り添う対応の工夫を解説します。

BPSD帰宅願望夕暮れ症候群周辺症状認知症 対応

周辺症状BPSDのガイドへ

「なぜこんな症状が出るの?」「薬で改善できる?」という専門的な疑問を、医師が直接回答します。初回500円。

相談する

こんな状態が続いたら

  • 施設や自宅にいても「家に帰る」「もう帰らないと」と繰り返し訴える
  • 夕方になると特に強く訴え、荷物をまとめたり玄関に向かおうとする
  • 訴えるだけでなく実際に外に出ようとする行動を伴うことがある
  • この訴えの多くは、今住んでいる場所そのものへの不満ではなく、不安・孤独感・役割の喪失感の表れです。安全な環境で「役割」「安心感」を作ることが対応の中心になります。実際に外出行動に発展した場合は、徘徊への対応も合わせて参考にしてください。


    なぜ「家に帰りたい」と訴えるのか


    「家に帰りたい」という訴えは、記憶と見当識のズレ、そして不安の表れであることが多く、単なるわがままではありません[1]。


    記憶の見当識のズレ → 今住んでいる場所を「自分の家」と認識できず、若い頃や子育て時代の記憶にある「家」を求めていることがあります。


    不安・孤独感の表出 → 慣れない環境や人間関係への不安が、「家に帰れば安心できる」という思考につながります(逆に人間関係がきまずいと感じていると「ここが家じゃないから安心できないに違いないと明後日の結論が導かれてしまいます)。


    役割の喪失感 → 「子供が学校から帰ってくる」「夕食の支度をしなければ」など、過去に担っていた役割の意識が呼び戻され、一方で何をするべきか判断できない時に訴えとして現れます。


    夕暮れ症候群 → 夕方から夜にかけて症状が強まりやすい生理的なリズムの乱れが関係しているとされています。


    訴えのパターン考えられる背景対応の方向性
    「子供が帰ってくるから」過去の役割意識「もう大丈夫、任せてください」と役割を引き継ぐ言葉をかける
    夕方に強く訴える夕暮れ症候群日中の活動量を増やし、夕方は照明を明るくする
    荷物をまとめて玄関へ向かう不安・孤独感「一緒に行きましょう」と付き添い、気持ちが落ち着いたら方向転換する

    今日からできる7つの工夫


    否定せず気持ちに寄り添う → 「そうですね、帰りたいですね」とまず気持ちを受け止めることが混乱を減らす第一歩です。


    「送っていきますね」と受け止めてから気をそらす → 一度受け止めた上で一緒に散歩に出るなど、別の行動へ自然に誘います。


    温かい飲み物やおやつに誘う → 気持ちを切り替えるきっかけとして、お茶や軽食への誘導が有効なことがあります。


    役割を作る → 洗濯物を畳む、テーブルを拭くなど、簡単な役割を担ってもらうことで安心感につながります。


    夕方の照明を早めに明るくする → 日中の活動量を増やし、夕暮れ症候群による症状の悪化を軽減します。


    なじみの写真・物を置く → 安心できる手がかりを身近に置くことで、落ち着きやすい環境を作ります。家を出て行こうとするときに目に入るような導線に配置することで徘徊のリスクを若干緩和することも期待できます


    「ここも安心できる場所」と繰り返し伝える → 相手の価値観を訂正するのではなく、安心感を積み重ねるように言葉かけを続けます。


    やってはいけないNG対応

    この記事についてもっと詳しく知りたい方へ

    記事の内容についての疑問や、ご自身・ご家族の状況に合わせた相談を、認知症を専門とする医師に直接お聞きいただけます。

    医師に相談する

    初回500円・48時間以内に医師が回答


    NG対応

    「ここがあなたの家です」と正面から訂正する → 本人の認識と食い違い、混乱や反発を強めることがあります。

    「またその話?」と取り合わない → 孤独感・不安を強め、訴えがさらに強くなることがあります。

    無理に引き止めたり動きを制止する → 抵抗や興奮を招き、安全上のリスクにもつながります。

    一人にして放っておく → 時に有効な手段となることもありますが、最終的に実際の外出行動(徘徊)につながるリスクがあるため、安全確認はお忘れなく。


    石田キヨさん(86歳、アルツハイマー型認知症、施設入居中)の場合


    夕方になると「夕飯の支度があるから帰らないと」と荷物をまとめる行動が続くようになりました。スタッフが「今日は私たちが用意しますので大丈夫です」と役割を引き継ぐ言葉をかけ、その代わりのお仕事として洗濯物たたみを手伝ってもらうようにしたところ、落ち着いて過ごせる時間が増えました。


    渡辺勝さん(81歳、血管性認知症、在宅)の場合


    自宅にいるにも関わらず「家に帰る」と繰り返し、玄関に向かうことがしばしばありました。妻の渡辺良子さんは「一緒に少し歩きましょう」と外に付き添い、近所を一周してから「お帰りなさい、今日もお疲れ様です」とかつて仕事から帰ってきた勝さんを出迎えるように声をかけると、どことなく満足げな表情で落ち着きを取り戻します。「無理に引き止めるより効果的でした、私も一緒に歩く習慣が身に付いたので悪くないなあと思っています」と前向きにとらえていらっしゃる。


    よくある家族の疑問


    Q. 施設にいるのに「家に帰りたい」と言うのはなぜですか?

    今いる場所を「自分の家」と認識できていないことが多く、慣れない環境への不安がそのまま訴えとなって表れています。


    Q. 訴えるたびに一緒に外に出ても大丈夫ですか?

    安全が確保できるなら、短時間の付き添いは有効な対応の一つです。ただし体調や天候、時間帯を考慮し、無理のない範囲で行ってください。


    Q. 「もうすぐお迎えが来ますよ」と嘘をついてもいいですか?

    露骨な嘘は後で本人を混乱させることがあるため、まずは気持ちを受け止めた上で、別の行動へ自然に誘う対応が推奨されます。


    Q. 夕方に特に強くなるのはなぜですか?

    夕暮れ症候群と呼ばれる現象で、日中の疲労や光量の変化、生活リズムの乱れが関係していると考えられています。


    Q. 帰宅願望が徘徊に発展することはありますか?

    訴えの段階から実際に外出する行動に移ることがあるため、玄関の施錠やセンサーの活用など安全対策も並行して検討してください。


    Q. 本当の自宅に一時帰宅させた方がいいですか?

    状況により有効な場合もありますが、環境の変化がかえって混乱を招くこともあるため、ケアマネジャーや施設スタッフと相談しながら判断してください。


    Q. 施設スタッフにどう対応してもらえば安心ですか?

    本人の生活歴や役割意識を共有し、スタッフ間で一貫した声かけをしてもらうことで、訴えが落ち着きやすくなります。


    Q. 何度説明しても納得しません。無理に理解してもらう必要がありますか?

    繰り返し訴えること自体がBPSDの症状であり、無理に納得させる必要はありません。安心できる声かけを繰り返すことの方が効果的です。


    関連コンテンツ


  • 体験談: 夜間の徘徊への対応
  • Tips: 目線を合わせ、穏やかな表情で接する
  • Tips: 怒りや暴言の裏にある不安や苦痛を察する
  • BPSD症状ガイドに戻る
  • この記事についてもっと詳しく知りたい方へ

    記事の内容についての疑問や、ご自身・ご家族の状況に合わせた相談を、認知症を専門とする医師に直接お聞きいただけます。

    医師に相談する実際の相談事例を見る

    初回500円・48時間以内に医師が回答

    関連する基礎知識

    レビー小体型認知症

    幻視や動作の遅さを伴う認知症

    多発梗塞性認知症

    小さな脳梗塞が積み重なって起こる認知症

    小血管病による認知症(ビンスワンガー病)

    脳の深部の白質が傷つく慢性的な認知症

    関連する介護の相談事例

    物盗られ妄想BPSD(暴言・暴力)

    関連する介護のヒント

    否定や訂正をせず、相手の世界観に寄り添う

    事実の指摘より感情の共有を優先し、信頼関係を築く

    寝室の環境を整える(暗さ、静かさ、温度)

    快適な睡眠環境で安眠をサポート

    就寝前のリラックスタイムを作る

    入浴、音楽、読書で心を落ち着かせる

    医師査読済コンテンツ

    本記事は神経内科・精神科医師 yuyu MD PhDによる監修・査読を経て公開しています。 査読日: 2026年7月

    査読基準・検証フローを確認する →
    公開日: 2026年7月10日

    参考文献

    1. [1]日本神経学会. 認知症疾患診療ガイドライン2017 (2017)
    2. [2]NICE. Dementia: assessment, management and support (NG97) (2018)
    3. [3]日本認知症ケア学会. 帰宅願望・夕暮れ症候群への対応の手引き (2019)

    本サイトの医療コンテンツは医師による査読を経て公開しています。

    監修ポリシーを確認する →

    コメント

    コメントするにはログインしてください

    まだコメントはありません。最初のコメントを投稿しましょう。