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ホーム記事認知症の中核症状ガイド──記憶障害・見当識障害・実行機能障害の仕組みと進行
ケアガイド医師査読済 · 2026年6月公開 2026年7月1日更新 2026年7月2日0 閲覧

認知症の中核症状ガイド──記憶障害・見当識障害・実行機能障害の仕組みと進行

記憶障害・見当識障害・実行機能障害・失語・失行・失認など、認知症の「中核症状」の仕組みを医学的に解説。各症状がなぜ起きるか・どう進むかを理解することで、家族が状況をより正確に把握できます。

認知症中核症状記憶障害見当識障害実行機能障害失語失行失認cluster:core-symptoms

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記憶・見当識などの症状が進んでいる感じがする、経時的に確認したいという方は、認知症専門医への相談が役立ちます。

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認知症の「中核症状」とは、脳の神経細胞が損傷することで必ず現れる症状群です。「周辺症状(BPSD)」と異なり、中核症状は薬や環境で完全になくすことはできません。しかし、仕組みを正確に理解することで「なぜこうなるのか」が分かり、適切なサポートの指針になります[1]。


記憶障害──「新しい記憶」が作れない


アルツハイマー型認知症で最初に現れることが多い症状です。特徴的なのは「近時記憶(直近の出来事)」が失われることです[1]。


記憶障害の2種類

近時記憶障害(初期から目立つ):数分〜数時間前の出来事を覚えられない。「さっき食事した」「さっき聞いた」ということを忘れる。

遠隔記憶(比較的保たれる):若い頃の出来事・戦争体験・学生時代の記憶は比較的保たれる。「昔のことはよく覚えている」という状態が長期間続く。


「同じことを何度も聞く」のは、前に聞いたこと自体の記憶が作られていないためです。「さっき言った」と指摘しても記憶は戻らず、混乱と不安を生むだけです。


見当識障害──時間・場所・人が分からなくなる


見当識とは「今いつ・どこにいるか・目の前の人は誰か」を把握する能力です。この能力が低下すると、以下のような状況が起きます。


種類症状の例
時間の見当識障害「今日は何日?」が分からない・夜中に起きて「朝だ」と思う
場所の見当識障害自分の家を「知らない場所」と感じる・「家に帰りたい」と繰り返す
人物の見当識障害家族の顔・名前が分からなくなる(特に進行期以降)

「家に帰りたい」という発言は「長年住んだ家・若い頃の家」を指していることが多く、現在の自宅にいるのに「帰りたい」と言います。これは「今ここが自分の居場所」と感じられない不安の表れです。


実行機能障害──手順を追った作業ができなくなる


実行機能とは「計画を立て、順番通りに行動する」能力です。この能力が低下すると、複数のステップを要する作業が難しくなります[2]。


実行機能障害が現れる場面

  • 料理の手順が分からなくなる(何から始めればいいか分からない)
  • 銀行の ATM 操作ができなくなる
  • 同時に2つのことをこなせない
  • ゴミの分別・片づけの手順が分からなくなる

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    失語・失行・失認──見落とされやすい症状


    失語(言葉が出にくい):言いたいことが言葉にならない、相手の言葉の意味が分からなくなる。「あれ」「それ」が多くなる変化に気づきやすいです。


    失行(道具の使い方が分からない):はさみ・歯ブラシなど、よく知っているはずの道具の使い方が分からなくなる。


    失認(見えているが意味が分からない):視力は正常なのに「鏡に映る自分を知らない人と思って怒る」「顔は分かるが名前が出ない」など。


    中核症状の進行と段階


    認知症の進行段階と主な中核症状の変化

    段階

    主な症状

    日常生活への影響

    軽度(初期)

    近時記憶障害・時間の見当識低下

    外出・金銭管理に支障が出始める

    中等度

    場所の見当識・実行機能・失語

    調理・入浴・着替えに介助が必要になる

    重度

    人物認識・失行・失禁

    ほぼすべての日常動作に介助が必要


    まとめ


  • 中核症状は脳の損傷による不可逆な変化──対応の工夫で「補える」部分を増やすことが目標
  • 記憶障害は「近時記憶」が失われる──「さっき言った」の指摘は無効
  • 見当識障害の「家に帰りたい」は現在の家にいるのに起きる不安感の表れ
  • 実行機能障害は「段取りが組めない」状態──複数手順の作業をサポートする

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    判断の負担を減らし、自己決定を支援する

    医師査読済コンテンツ

    本記事は神経内科・精神科医師 yuyu MD PhDによる監修・査読を経て公開しています。 査読日: 2026年6月

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    公開日: 2026年7月1日最終更新日: 2026年7月2日

    参考文献

    1. [1]日本神経学会. 認知症疾患診療ガイドライン2017 (2017)
    2. [2]Budson AE, Price BH. Memory dysfunction. N Engl J Med (2005)
    3. [3]公益財団法人長寿科学振興財団. 健康長寿ネット──認知症の中核症状 (2023)

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