外に出ようとする(徘徊)
目的なく歩き回ったり、家を出ようとする
医療監修
Yuya Kobayashi, MD, PhD
認知症専門外来・在宅診療医
「外に出ようとする」行動は、見当識障害により自分のいる場所や時間の感覚が曖昧になったり、「家に帰りたい」「仕事に行かなければ」といった過去の記憶や役割意識が強く出てきたりすることが背景にあると考えられています。単なる迷惑行動ではなく、本人なりの目的や不安感の表れであることが多い点を理解することが対応の第一歩です。
主に日中、退屈や手持ち無沙汰、環境の変化(施設入所や引っ越し直後、家族の外出中など)への戸惑いがきっかけになりやすいとされます。「家に帰りたい」という帰宅願望は、今住んでいる場所ではなく、子どもの頃の実家や昔暮らした家を指していることも少なくありません。
無理に制止したり、「ここが家ですよ」と事実を説得しようとしたりすると、かえって不安や抵抗感が強まることがあります。外出したい気持ちそのものは否定せず、いったん受け止めた上で、安全対策と両立させながら見守る姿勢が基本です。
対応のヒント
(5件)対応のポイント
- •外出の目的や理由を否定せず受け止める 「どこに行きたいのですか」と尋ね、いったん気持ちを受け止めてから話題を変えるアプローチが有効な場合があります。事実を突きつけるより、行きたい気持ちに寄り添う方が落ち着きやすいとされます。
- •日中の活動量を確保し、退屈を減らす 適度な運動や役割(洗濯物たたみ、テーブル拭きなど)を日中に取り入れることで、手持ち無沙汰による落ち着かなさが軽減されることがあります。
- •安全対策を整えておく GPS機器の携帯、玄関への工夫(施錠・センサー)、緊急連絡先の掲示など、万一外出してしまった場合に備えた安全対策も並行して行いましょう。
- •身元が分かる情報を身につけてもらう 衣類や持ち物に連絡先を記載しておくと、外出時に万一の際も早期発見につながります。
よくある質問
Q. 「家に帰りたい」と言って出ていこうとします。実家はもう無いのに、どう対応すればいいですか?
A. 「ここが家ですよ」と事実を伝えても納得してもらえないことが多く、かえって混乱や反発を招く場合があります。「もう少しでご飯ですから、それまでゆっくりしていきませんか」など、いったん気持ちを受け止めながら時間や話題をずらす対応が有効なことがあります。
Q. 一人で外出してしまい行方が分からなくなった場合はどうすればいいですか?
A. 速やかに警察に相談し、地域の見守りネットワークやGPS機器の情報も活用しましょう。日頃から近隣や地域包括支援センターに事情を伝えておくと、早期発見につながりやすくなります。
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