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感情・行動の変化

何もしたがらない

意欲が低下し、無気力になる

Yuya Kobayashi, MD, PhD

医療監修

Yuya Kobayashi, MD, PhD

認知症専門外来・在宅診療医

「何もしたがらない」状態は、医学的には「アパシー(無為・無関心)」と呼ばれ、認知症の周辺症状(BPSD)の中でも特に頻度が高い症状の一つです。趣味や身の回りのことへの関心が薄れ、自分から動こうとしなくなりますが、本人はそのことを苦痛に感じていない場合が多く、うつ病とは区別して考える必要があります。前頭葉や意欲に関わる脳の働きの低下が背景にあるため、「怠けている」のではなく症状の一つとして理解することが対応の第一歩です。

対応のポイント

  • できることを小さく分けて役割を渡す 「洗濯物をたたむ」「テーブルを拭く」など、負担の少ない一手順に分解して任せると、成功体験につながりやすくなります。
  • 結果ではなく行動そのものを認める うまくできたかどうかより、取り組んだこと自体に「ありがとう」「助かった」と声をかけ、意欲の芽を育てます。
  • 生活リズムの中で自然に誘う 「一緒に散歩に行きませんか」など、無理強いせず日課の流れに沿って誘うと、抵抗なく応じやすくなります。
  • うつ症状の併発や急な変化は医師に相談を 食欲不振や不眠を伴う、あるいは数日〜数週間で急速に無気力が進んだ場合は、うつ病など他の原因が隠れていることがあるため受診を検討しましょう。

よくある質問

Q. アパシーとうつ病はどう見分ければよいですか?

A. アパシーは意欲や関心が低下する一方で、本人が強い苦痛や悲しみを自覚していないことが多いのが特徴です。対してうつ病は気分の落ち込みや自責感、不眠・食欲不振などを本人が苦痛として感じている場合が多く見られます。判断が難しい場合は、認知症を専門とする医師に相談することをおすすめします。

Q. 薬で意欲の低下は改善しますか?

A. 原因や経過によっては、医師の判断で薬物療法が検討されることもありますが、まずは生活リズムの調整や役割づくりなど非薬物的なアプローチが基本になります。自己判断で市販薬やサプリメントに頼らず、気になる場合はかかりつけ医や専門医に相談してください。

Q. 本人が動こうとしないのは、単に怠けているだけではないのですか?

A. 本人の性格や意思の問題ではなく、脳の意欲に関わる働きの低下によって起こる症状と考えられています。叱咤激励や無理強いはかえって本人を追い詰めることがあるため、症状として理解した上で、できることから小さく促す関わり方が推奨されます。

この症状への対応に迷ったら、医師に相談

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